第4回「歯みがきを始めてみよう!基礎知識編」
新連載 今日から始めるペットの歯みがき
このコラムでは日本ペット歯みがき普及協会の代表理事であり「歯ミガキマン」として日本中で40回以上歯みがき教室を開催し、1000頭以上のペットたちの歯みがきを指導している赤津先生や「かまくらげんき動物病院」の院長もつとめる理事の石野先生、動物の行動と心理を専門とするヒューマン・ドッグトレーナーでもある理事の須﨑先生からペットの歯みがき初心者でもできる大事なことをシリーズで教えてもらいます。
4回目の今回は、赤津先生が担当してくれます。
第4回「歯みがきを始めてみよう!基礎知識編」
歯みがきをはじめるタイミング
これまで、ワンちゃん・ネコちゃんの歯周病の恐ろしさや普段の生活で気を付けることなど、様々お伝えしてきました。
今回は、実践編をご紹介していきます。
歯みがき初心者さんの中には、まだ歯みがきをしなくて大丈夫と思っている方が結構いらっしゃいますが、それは大きな間違いです。
では、いつから始めると良いのでしょう。
理想的なのは、歯みがきが習慣化されやすい6ヶ月前後のパピーの頃からです。
乳歯の頃から歯みがきトレーニングを始めてしまっても構いません。小さい時から始めると、しつけができ歯みがきに協力的になってくれます。
しかし、飼い主さんの中には「うちの子もう成犬で、パピーの頃から歯みがきできていなかった」という方が一定数いらっしゃいます。
実際は、何歳からでも遅くありません。
シニア犬でも諦めずに歯みがきをすることで、大きな病気にかかるリスクが減るため、放置せずに歯みがきをしてあげましょう。
歯ブラシを選ぶポイントと歯みがきをする際の注意ポイント
実際にワンちゃん・ネコちゃんへ歯みがきをおこなうために、これから歯ブララシを準備するという飼い主さんは、ご紹介する歯ブラシを選ぶポイント2点を参考にしてみてください。
すでに歯ブラシをお持ちの飼い主さんは、お手元に準備してください。
①毛が柔らかい長さが4mm程度の歯ブラシがオススメです。
ペットのお口に入っても嫌がりにくい傾向があります。
②ペット用歯ブラシのパッケージに「柄が折れにくい」などと記載のあるものがオススメです。
人間の子ども用歯ブラシは、ペットが噛んだ際に折れてケガをする可能性があります。
ペットの歯ブラシを準備する際には、ぜひ思い出してみてください。
さて、歯ブラシの準備ができたら次は歯みがきの実践です。
ペットに歯みがきをしてあげる際に、どの方向からしてあげるのか実はとても重要です。
正面から歯ブラシを持って磨こうとすると、抵抗して嫌がるワンちゃんが多くいます。
歯みがきをするときは、決して怖い顔をせずに、笑顔で声をかけながら後ろからそっと歯みがきをしてあげてください。
そして、ワンちゃんが嫌がる前に歯みがきをやめて褒める、そしてまた磨く!を繰り返して、慣れてきたら徐々に歯みがき時間を伸ばしてください。
磨き残しの多い奥歯・隙間・内側は、特に注意して歯みがきをしてください。
磨いてあげる前には、歯ブラシを手の甲に擦ってみて、痛くない強さで磨きましょう。
赤津先生が歯みがき初心者のギモンに答えます!
「歯みがきシートを使用する際に気を付けること教えてください」
全国で歯みがき教室をおこなう中で、参加する皆さんから「歯みがきシートを使用する際に気を付けることってありますか?」という質問をよくいただきます。
私からいつもお伝えしているのが、「歯ブラシのブラッシング同様に強く擦らない」ということです。
強く擦るとペットが嫌がる可能性があるため、軽く擦って汚れを落とすことができる研磨剤配合の歯みがきシートをオススメしています。(歯ミガキマン・当協会代表理事・赤津先生
今回のまとめ
歯みがきは、パピーの頃から始めると習慣化されて協力的になってきます。
しかし、パピーじゃなくても気づいたときから始めると大きな病気になりにくくなります。
また、2つのポイントを押さえた歯ブラシを準備して、正面ではなく最初は後ろから歯みがきをし、無理に歯みがきを続けるのではなくペットの様子を見て褒めてあげながら、歯みがき時間を伸ばしていきましょう。
歯みがき=楽しい時間になるようにしてください。
(一社)日本ペット歯みがき普及協会代表理事
全国各地で「歯ミガキマン」として活動
設立:令和 3 年 11 月 8 日
事業内容:ペットの口腔ケアに関する知識・技術の普及、施術士の育成及び講習会の開催、施術士の技術基準の策定、公表及び資格認定、動物愛護精神の更なる啓蒙 一部抜粋 HP:https://jpd-a.or.jp/