第1回「初心者の飼い主さんに知って欲しい歯みがきの重要性」
新連載 今日から始めるペットの歯みがき
突然ですが、飼い主の皆さんはペットの歯みがきをしていますか?
あまり知られていませんが、ペットの歯みがきは飼い主様にもペットにも実はすごく大事なんです。
この大切さを広めていこうと、2021年11月8日(いい歯の日)に一般社団法人日本ペット歯みがき普及協会が設立されました。
このコラムではこの協会の代表理事であり「歯ミガキマン」として日本中で40回以上歯みがき教室を開催し、1000頭以上のペットたちの歯みがきを指導している赤津先生や「かまくらげんき動物病院」の院長もつとめる理事の石野先生、動物の行動と心理を専門とするヒューマン・ドッグトレーナーでもある理事の須﨑先生からペットの歯みがき初心者でもできる大事なことをシリーズで教えてもらいます。
初回は石野先生が担当してくれます。
第1回「初心者の飼い主さんに知って欲しい歯みがきの重要性」
歯みがきをしないとペットも歯周病に!
近年、ペットの寿命が延びていることもあり、飼い主さんのワンちゃん・ネコちゃんへの健康管理はより一層関心が高まっています。そのひとつが口腔ケアである歯みがきです。私たち人間の口腔内は弱酸性や基本中性と言われており、ご飯を食べると酸性へ傾くため、虫歯菌が繁殖しやすくなります。
しかしワンちゃん・ネコちゃんの口腔内はアルカリ性が基本であるため、人と違って虫歯はほとんどないのです。それなのになぜ口腔ケアが必要かというと、実は歯みがきをしないと2~3日で歯周病菌が繁殖してしまうからです。そのため、ワンちゃん・ネコちゃんは虫歯よりも歯周病が多いという現実があります。
しかし、歯みがきの重要性を知らない飼い主さんは多く、3歳以上の約8割のペットが歯周病予備軍という事実があります。
例えば犬の死因として常に上位にあがる病気(心臓病・糖尿病・肝臓病・腎臓病・ガンなど)の大元も歯周病が大きく関わっている可能性が高いと言われています。
(かまくらげんき動物病院・当協会理事石野孝先生監修)
普段の食生活から気を付けることは可能!!
人間と同じように、ワンちゃん・ネコちゃんにあげる食事で注意することは柔らかいものを与えすぎないことです。
やわらかいものを食べていると咀嚼の必要性が低下するため、唾液分泌量が減少し、唾液による口腔内自浄作用が低下していきます。
そのため歯に食べ残しが付着しやすいので口腔内環境が悪化し、歯垢から歯石になるリスクが高まります。
あげることがいけないわけではありませんが、ボーロやビスケットなどを与えた日には、歯みがきすることを忘れないであげましょう。
赤津先生の歯みがき初心者のギモンに答えます!
「なにから始めたらいいか分かりません!」
全国で歯みがき教室をおこなう中で、参加する皆さんから「歯みがきをする時になにから始めればいいですか?」という質問をよくいただきます。
私はいつも「普段からのコミュニケーションが大切」とお伝えしています。
コミュニケーションの一環で撫でることやマズルを触ることなどをしてあげると良いでしょう。
飼い主さんが楽しそうな顔で、声をかけながら触ると、ワンちゃん・ネコちゃんもマズルを触られることに慣れていきます。
こうすることでこれから歯ブラシを使った歯みがきをする際にワンちゃん・ネコちゃんも楽しい時間が始まると思ってくれるようになります。
(歯ミガキマン・当協会代表理事・赤津先生)
今回のまとめ
歯垢を取ることは磨くことが一番ですが、歯垢がつきにくい環境作りをすることもとても重要です。
また初心者さんはワンちゃん・ネコちゃんとのコミュニケーションを取ることから始めることをおススメします!
今回紹介したことをぜひお試しください。また次回お会いしましょう!
(一社)日本ペット歯みがき普及協会代表理事
全国各地で「歯ミガキマン」として活動
(一社)日本ペット歯みがき普及協会理事
《かまくらげんき動物病院院長 》
設立:令和 3 年 11 月 8 日
事業内容:ペットの口腔ケアに関する知識・技術の普及、施術士の育成及び講習会の開催、施術士の技術基準の策定、公表及び資格認定、動物愛護精神の更なる啓蒙 一部抜粋 HP:https://jpd-a.or.jp/