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家庭内の順位付けを犬はするの?

犬を飼う時は飼い主がリーダーになろう、と言われます。
飼い主がリーダーなら、他の家族はどうなるのでしょう?

実は犬の目線で順位付けがされています。
家族の中で犬がどのような順位付けをしているのか紹介します。

犬の順位付けで知っておきたいポイント
犬は家庭内で上下関係を考えて順位付けするもの
犬は家族は家族が気付かないうちに順位付けをしている
犬自身が家族のリーダーと考えると問題が起こりやすい
犬の世界ではオスが群のリーダーに認められやすい
家族の男性が優位になると犬をしつけやすい
女性は犬を甘やかしすぎると下位に見られやすい
多頭飼いをする場合は先住犬が優位になるように扱うべき

犬はもともと群で生活していたことから、家庭内でも自然に順位を付けようとします。

人間が優位になることが犬にとっても幸せに繋がるので、どのような点に気をつけるべきなのか確認しておきましょう。
 

犬は家庭内の順位付けをする

犬は群で生活する動物で、リーダーが群を支配し、敵から守ります。
群が一緒に行動するには秩序が必要で、力による上下関係を守ることで群の秩序は保たれます。

ペットの犬の場合、家族が群です。

犬は家族のメンバーを見て、日常的な行動から力関係を考えて順位付けします。

優位な立場にいれば食事も寝床も繁殖行為も、よりいい条件のものが獲得できます。
敵が来た時は最前線で戦い、群を守らなければなりませんが、上の立場であればあるほど普段はいい生活ができるのです。

このため、犬は優位な立場になろうと考えます。
例えリーダーになれなくても、少しでも上の立場になり、好条件の生活環境を求めます。

犬が決める順位の基準とは

順位を決める基準はいろいろあります。
直接対決で上下を決める方法もありますし、血縁関係や群に入った順番も影響します。

一度決まった順位はなかなかひっくり返りませんが、順位を確かめ合う行為は日常的に行われています

ケンカでお互いの強さを確認したり、下のものが上のものに腹を見せて敵意がないことを示したり、挨拶のために顔を舐めたり様々なことが行われています。

人は気付かないかもしれませんが、犬は常に家族の様子を見ています。
そして犬なりに順位を決めて把握しています。

犬がリーダーだと認識する事例

1位:犬
2位:母
3位:父

 

残念ですが、こんな風に考えている犬もいます。

父が仕事の都合などでほとんど家にいなくて、犬のケアもしない場合に多くみられます。
場合によっては父=侵入者と犬が覚えているケースもあります。

父と犬が顔を合わせるのは、朝のごく短い時間だけ。
しかも犬は父に懐いておらず、いつも吠えてしまう。

こんな場合、犬は「俺が縄張り(家)の中を巡回している時に侵入者を発見! 吠えて縄張りの外へ追い出し、家族を守った!」と思ってしまうことがあります。
こうなると「俺は強い。俺がリーダー」と犬が信じて疑わなくなってしまいす。

人にとっては当たり前だったり、生活リズム上、仕方がないと思える行為が犬を勘違いさせ、誤った順位で犬が家族を認識したり、犬が暴君になるのを助長することがあります。

犬を飼う場合はどんなに短い時間でも毎日スキンシップをとって信頼関係を築きたいですね。

男性が優位にたちやすく、しつけやすい

野生では強くなければ生き残ることができません。

群にはより強いリーダーが必要になります。
このため、体が大きくて力が強いオスがリーダーとして認められやすいのです。

犬でも同じことが言えます。

よくあるのが、オス犬が女性飼い主の指示を聞かないというケースです。
しつけようとしても全然指示を聞いてくれないばかりか、犬が飼い主を威嚇するようなこともあります。

これは女性であることが関係していると考えられます。
性別から弱い存在として見られていて、リーダーに相応しくないと思われています。

また、女性は犬を非常に可愛がる傾向にあり、ついつい甘やかしたり、犬の自由にさせてしまうことがあります。

甘やかす行為は、弱いものが争いを避けるために強いものにこびている行為に似ていて、犬が「俺の方が強い」と思い込む原因になっていると考えられます。

このため、女性が初めて犬を飼う場合はメス犬がお勧めです。
特に大型犬になると人は犬に力で勝つことができません。女性の場合はほぼ確実に力で負けてしまいます。

犬を飼う時は誰がリーダーになるのが予め決めておき、できるだけ男性が毅然としたしつける方がしつけがスムーズに進むことがあります。

多頭飼い注意!後から迎えたペットは順位が低い

犬を飼っていると、違うカラーやパターンの犬をさらに飼いたくなったりしますよね。

多頭飼いすれば犬同士で社会を作り、人が構ってあげられない時でも寂しい思いをしないで済みますから一石二鳥! そう思うかも知れません。

確かにそうですが多頭飼いする時は、先住犬が優位である、という犬同士の社会のルールを守ってください。
抱っこ
ブラッシング
食事
おやつ
遊び
散歩の準備
部屋から出る順番

 

など、全て先住犬を先にします。

先住犬が優位である、という扱いをしてあげないと「俺の方が強い立場なのに、どうして飼い主(リーダー)は弱い犬(後から来た犬)を大事にするんだ!」と強い不満を持ちます。

この不満はストレスになって病気、攻撃的な性格、突然トイレで排泄できなくなるなどの原因になります。

先住犬をしっかりしつけ、先住犬を優位な犬として扱うと後から迎えた犬達が先住犬に従い、先住犬を手本として行動するようになります。

そうすれば、多頭飼いでもしつけなどが楽になり、楽しく飼うことができますよ。

人が犬より優位であることを確実に教えておこう

犬は家族を群として考え、順位付けをします。
自分より優位な立場の人にしか従わない上、自分より下位のものは支配しようとします。

このため、犬の順位が一番下になるように日頃から行動してください。
そうでなければ「犬が人より優位に立てる」と犬が考えるようになり、人を自分に従わせるために攻撃的な態度を取ることがあります。

人が相手でも支配してやろう!という行動に出る犬は家の外でも人に対して挑戦的な態度をとる可能性があります。

それではトラブルになる危険がありますから、日々の生活の中で犬と人の立場の違いをしっかり覚えてもらいましょう

犬が吠えたから要求に応える、ということを続けていると犬が生活の主導権を握っていることになります。
日々のちょっとした行動が家庭内の順位付けに結びつきます。

食事・散歩・遊びなど人が優先・リードするという状況を意識して作り出し、犬が勘違いしてしまわないように注意してください。

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須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

【ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士】

大型犬好きのドッグシッター。しつけ、ペットと旅行、ワーキングドッグの訓練やケア、鳥や馬など色んな動物に関わる仕事をしていました。ダルメシアンの多頭飼いが夢。

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