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パピーウォーカーになるには

コラム
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パピーウォーカーになるには

盲導犬候補の子犬を生後約2ヶ月から1歳になるまで家庭で預かり、家族の一員として育てるパピーウォーカーになるには所定の手続きが必要です。

具体的にどのような流れになるのか、以下のポイントをチェックしてみましょう。

パピーウォーカーになるまでの流れ
盲導犬協会へ申し込み
パピー担当者と面談を行う
委託契約書を交わす
担当者から説明を受ける
子犬を飼育するケージやトイレなどの確認
子犬と散歩の練習をする
面談終了後は「委託待機者」として待機
盲導犬協会から最終確認があり委託が決定
 
実際にパピーウォーカーのボランティアを始めるにはどうしたらよいのか、現役パピーウォーカーの筆者が体験も交えながらお話しします。

パピーウォーカーになってみたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
 

パピーウォーカー登録を申し込む

パピーウォーカーに登録する

まずは盲導犬協会にパピーウォーカー希望の旨を伝え、申し込みをします。
 

委託地域の確認

パピーウォーカーになる条件として、「訓練施設でのレクチャーに参加できること」との記載があったり、委託地域が決まっていたりすることもあります。

まず、お住いの地域からパピーウォーカーになることができる盲導犬協会があるかどうか調べる必要があります。

認定NPO法人全国盲導犬施設連合会加盟団体のホームページを記載しますので、お住いの地域が対象地域になるかどうか確認してみましょう。

 
委託地域を定めているのは、パピーウォーカーがレクチャーに参加するため訓練施設に出向くだけではなく、訓練施設からの担当者が子犬の健康管理や歩行指導のために家庭訪問に来られることもあるためです。

少し遠いかなと思っても、近くにパピーウォーキング中の子犬がいたり、過去にパピーウォーカーがいたことがあるなど委託可能な場合もありますので、電話やメールで問い合わせてみましょう。

私自身、盲導犬施設がある場所は行ったことがなく、調べたところ車で1時間半くらいの距離でしたが、問い合わせたところ委託地域に入っていました。

初めてのところに連絡をとるのは勇気のいることですが、何事も行動を起こしてみないと始まりません。

また今後パピーウォーカーとして活動するには訓練施設との連携が大切ですので、まめな連絡を心がけるためにも思い切って聞いてみてください。

公益社団法人日本盲導犬協会 島根あさひ訓練センターでは、週末にパピーを預かる「ウィークエンドパピーウォーカー」も募集しています。詳しくはホームページでご確認ください。
 

申込書を送る

委託地域の確認ができたら、申込書を送ります。申込書はホームページからダウンロードするか、郵送で取り寄せて入手します。

申込書には連絡先の他、家族構成、志望理由、住居の形態、アレルギーの有無、犬の飼育経験、留守にする時間はどのくらいかなど現在の生活スタイルについて記載します。

これは、子犬を委託できるかどうかの判断材料にもなり、後日行われる面談の資料にもなります。

私も申込書を送り、受理しましたと訓練施設のパピー担当者から電話連絡があったときはひとつ壁を超えたような気持ちになり、とても嬉しかったことを思い出します。
 

パピー担当者との面談

パピー担当者との面談
次のステップはパピー担当者との面談です。パピー担当者と面談の日時を決め、それまでに読んでおくべきパピーウォーキングについての資料が送られてきました。
 

パピー担当者の家庭訪問(筆者の体験)

面談は私の場合は自宅で行われました。パピー担当者が実際にパピーウォーキング中の子犬を連れて来られました。そのときに子犬に会えたことはこれからの生活がイメージする上でとても役立ちました。

その日、夫も面談に参加しました。もともとパピーウォーカーになりたいと言い出したのは私でした。

私は独身時代、実家に中型犬が家の中にいましたが、主人は外でしか犬を飼ったことがなかったので、「大型犬が家の中にいるってどうなの?」と話していたのです。自分でもパピー担当者に会って、話を聞きたいし、質問もしたいと言っていました。

家族の中で誰がパピーウォーカーの中心になるかというのはもちろんあって、委託契約書はその人と交わしますが(私の家庭では私が交わしています)パピーウォーキングは家族全員で取り組むことなので、共通の認識をもっておくことは必要です。

みんなで子犬を温かく迎え入れるために、可能なら複数人数で面談に臨み、はじめに疑問を解決しておくことをおすすめします。
 

家庭訪問の内容① 担当者からの説明

担当者からパピーウォーキングについての説明がありました。

パピーウォーカーとは何か
パピーウォーカーの役割
パピーウォーカーの条件
→「パピーウォーカーの基本情報」の記事参照
 
飼育に必要な犬具について
費用について
保険について
→「盲導犬候補の子犬と暮らしはじめる」の記事参照
 
留守にするときの対応について
→「盲導犬候補の子犬のおでかけとお留守番」の記事参照
 
パピーウォーキング修了後について
→「パピーウォーキングの修了」の記事参照
 
盲導犬を引退した後のことについて
盲導犬に適さなかった時のことについて
→「盲導犬に関わるパピーウォーカー以外のボランティア」の記事参照
 
随時私達の質問にも答えながら説明してくださいました。
 

家庭訪問の内容② 子犬の飼育環境の確認

事前に提出済のパピーウォーカー登録申込書に沿って子犬の飼育環境の確認がありました。

特に室内に置くことになるケージの置き場所や排泄場所(トイレ)をどこにするかを実際に家を見てもらいながら決めました。

我が家ではケージはリビングに置き、排泄場所は庭に出てすぐのコンクリートの部分を仕切って作ることになりました。

「トイレトレーニングに慣れてきたら、子犬が窓の外を見て、トイレに行きたいから開けてと知らせるようになります。」とパピー担当者が言われたことに半信半疑でしたが、後にそれは嬉しい現実となりました。
 

家庭訪問の内容③ 子犬との散歩

説明の間、一緒に来た子犬は私達のそばで待っていてくれました。初めての家、初めての人に少し興奮した様子でしたが、すぐに慣れて静かにしていました。

盲導犬になるにはどこへ行っても落ち着いて過ごせることが大切なので、こうして新規にパピーウォーカーになることを希望する家庭へ訪問することも子犬にとっては勉強のひとつでもありました。

パピーウォーカーになりたい私達にとっても、子犬にとっても新しい素晴らしい経験でした。

説明のあと、担当者に教えてもらいながら、子犬と一緒に散歩をしました。子犬でも大型犬の引く力はとても強く、こちらにもテクニックが必要なことも実感しました。

そのことに少し不安を感じていると、これから訓練施設でのレクチャーや家庭訪問での個別指導でその時期に合わせた子犬の飼育方法を教えてくださるとのことで安心しました。
 

家庭訪問の最後に

担当者はちょうどお産を控えた繁殖犬が2頭いること。そのどちらかから産まれた子犬を委託できると思うということをおっしゃって、家庭訪問は終了しました。
 

面談から委託まで

これまで私の体験をお話ししましたが、面談方法は盲導犬協会によって違いがあり、訓練施設で説明会と面談をすることもあるようです。

面談が終了すると、委託待機者として登録され、委託できる子犬が産まれるまで待機となります。
 

委託連絡

委託日の一ヶ月前位に盲導犬協会から改めて受け入れ可能かの確認があり委託が決定します。
 

まとめ パピーウォーカーになりたい方へ

パピーウォーカーの体験談

パピーウォーカーになってみたいけれど、できるかな。これまで犬を飼ったことがないけれど大丈夫かな、など不安の思われることもあるかもしれませんが、大丈夫です。

子犬との生活の仕方を教わりながら日々を過ごすことができます。困ったときにはいつでも相談もできます。

パピーウォーカーは子犬に対する愛情と盲導犬を育てるという真摯な思いがあればできるボランティアなのです。

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浅野桃(盲導犬パピーウォーカー)

浅野桃(盲導犬パピーウォーカー)

幼い頃から犬や猫、うさぎ、リスなど動物がそばにいるのが当たり前の環境で育つ。現在は夫、子供たちと共に盲導犬パピーウォーカーとして活動中。パピーウォーカーを志願したのは子犬を育てることで社会貢献できるならチャレンジしてみたいと思ったから。3年が経ち、現在3頭目の子犬と暮らしています。その日々の中で犬は私たち人間のかけがえのないパートナーだと実感しています。

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