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留守番に関するしつけについて

愛犬に留守番をさせると家の中が壊滅状態に陥った。
あちこちで粗相していて途方に暮れた。こんな話をよく聞きます。

これは犬の本能や習性が関係しており、一種のパニックのような状態に陥っている証拠です。

飼い主さんが留守でも問題行動を起こさずに過ごさせるためには、以下のポイントに気をつけてみましょう。

犬に留守番をさせる前に知っておきたいしつけについて
留守番に慣れていないとパニックになる
群れからはぐれたという不安がパニックになる原因
留守番は短時間から少しずつ慣れさせる
出かけることを察知させないように気をつける
帰宅時に犬が興奮しても無視をする
飼い主がいなくなても必ず戻る、これが普通なことだと覚えさせる
1時間以上留守番をさせるならサークル・クレートに入れると良い

このように、飼い主と離れる時間があることに慣れさせて、一緒に過ごせるときにコミュニケーションを図ってメリハリをつけて信頼関係を築くのがポイントです。

犬に留守番をさせる前に必ずクリアしておきたいしつけを紹介します。
 

いきなり留守番をさせると犬はパニックになる

犬の性格によりますが、練習しないで犬に留守番をさせるとパニックに陥ることがよくあります。

犬はもともと群で生活していた動物です。
ひとりで留守番させると「群からはぐれた!」と恐怖を感じます。

群れからはぐれる不安

野生では、群で生活する動物が群からはぐれると、天敵に襲われたりして命の危機に陥る危険があることなのです。

このため、強い恐怖や不安からなんとか家族(群)に追いつこうと暴れ回ったり、不安から粗相をしてしまったり、ストレスを解消するために家具をかじったり、クッションをかじって振り回したり大暴れします。

諦めて寝てしまう犬もいますが、吠え続けて喉をからしてしまう犬もいます。

留守番は犬にとって命に関わる一大事とも言えます。
留守番させるなら、少しずつ慣らしていくようにしましょう。

留守番はまず1分からスタート

留守番は、まず飼い主が見えない状況に慣れるところから始めます。

ハウスのしつけができているなら比較的簡単です。
「ハウス」と声をかけてクレートに入れ、クレートにタオルをかけて飼い主が見えない状況を作りましょう。

ドライフードを活用する

犬が鳴いたり暴れたりする前に、クレートの横の穴からドライフードを複数入れてあげましょう。

クレートに入れるドライフードの数を増やしたり、フードをつぎ込む間隔を長くしたり、クレートの中にオモチャを入れて中で遊ばせるなど、飼い主が見えない時間を徐々に長くしていきます

飼い主の姿が見えなくても平気になったら、クレートの中で1分過ごさせましょう。

次に、飼い主がクレートから離れ、人の気配を感じられなくなっても平気になったら、留守番の最初のステップクリアです。

出掛けることを悟られないようにして

犬に留守番させる時は、長時間飼い主が家からいなくなる、ということを犬に悟られないようにしましょう。

「いってきます」と犬に言ったりしない
出掛ける時にいつも同じカバンを使わない
車のキーは日常的に持っている姿をみせる
 

犬は察知する能力がとても高く、飼い主のちょっとした行動の変化で「出掛けるんだ!」と察します。

飼い主が出掛けていなくなってしまうと不安になる

それなら、出掛けてしまう、と悟られなければいいのです。

「いってきます」という挨拶をしない
出掛ける時に使うカバンをトイレに行くときなども持ってみせる
なんでもない時に車のキーを持って移動する
 

出かける時は特別な行動はしない

出掛ける時の特別な行動というものをなくし、犬が留守番に気付かないようにしましょう。

例えばリビングのサークルに犬を入れてから、犬に声をかけずにゴミ出しに出掛けましょう。
ほんの短時間ですが、これも留守番の練習です。

こんなことを繰り返していると、犬は飼い主がいなくなる状況に自然に慣れていきます。

帰宅しても大袈裟に相手をしたりしない

留守番させた後、帰宅してから大袈裟に犬の相手をする飼い主がいます。
これでは犬を興奮させてしまいます。

飼い主がいなくなって帰宅することが犬にとって特別なできごとになってしまいますし、飼い主に飛び付いたり、吠えることを助長してしまいます

興奮している間は無視する

帰宅した時に犬が興奮しているなら、興奮が収まるまで無視しましょう。
そして静かになってから撫でたり、ブラッシングなどボディケアをしてください。

飼い主が家を出て行っても必ず戻ってくる、いつもと変わらないことなのだ、と犬が覚えれば留守番させても不安になることはなく、パニックになって家中を荒らすようなこともなくなります。

1時間以上の留守番はサークルを活用しよう

留守番中はせめて自由にさせてあげたい。
そう思う方もいるかもしれません。

ですが、1時間以上の留守番はサークルに入れたり、移動できるエリアを限定しておきましょう。
これは犬の安全を守るためです。

留守番中は飼い主の目が届きません

なにが起こるか解らない、という不安があります。

段差から落ちて骨折やねんざした
部品や植物を誤飲して中毒症状が出たり、腸閉塞になったりした
わずかな隙間にはまって身動き取れなくなった
 

こうしたトラブルを避けるためにも、サークルの中に入れたり、安全を確保した部屋の中だけで自由にさせるといった工夫をしましょう。

クレートのしつけ

なお、クレートで体を休める訓練をしておけば、疲れた時に自然にクレートに入るようになります。

また、地震が発生して高い場所から物が落ちてくるような事態に陥っても、犬はクレートに入ることで身の安全を確保できます。

安全に留守番をさせるためにも、クレートに自分から入れるようしつけをし、寝床として活用することをお勧めします。

家に迎えた日から留守番させる場合

今は飼い主の生活パターンが多様化し、独身だったり共働きなどで自宅を空けることが多い人でも室内で犬を飼うようになっています。

この場合、トイレやハウス、クレートなどのしつけが完了する前に留守番させることになります。
その場合は広めのサークルを準備し、トイレも寝床も全てサークルの中で済ませましょう。

クレートを寝床にする

家に迎えた日からサークルの中で過ごさせ、クレートを寝床として活用します。

飼い主と離れて生活するのが普通で、飼い主の姿が見えないことが日常的にあるという状況を最初から作っておきましょう。

トイレのしつけが終わる前に留守番させると、帰宅した時にサークルの中や犬自身が大変な状態になっています。

我慢しながらしつけをしよう

掃除や子犬のケアが大変ですが、しつけができるまで我慢です。

一緒に居られる時はできるだけ積極的にスキンシップをはかり、信頼関係を築くようにしてくださいね。

まとめ

飼い主と長時間離れる留守番は、犬にとって大きな不安や恐怖を感じることで、パニックに陥って大暴れしたり、粗相することもよくあります。

留守番させる場合は短時間から慣らしていきましょう。

飼い主の姿が見えなくなること、飼い主と離れることを日常的に経験していれば、パニックになることはありません。

クレートを活用して飼い主の姿を見なくても平気、というしつけからスタートし、徐々に離れる時間を長くしていきながら留守番できるようにしつけてください。

また、長時間の留守番は犬の安全確保を第一に考えてサークルやクレートを活用するようにしてくださいね。

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須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

【ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士】

大型犬好きのドッグシッター。しつけ、ペットと旅行、ワーキングドッグの訓練やケア、鳥や馬など色んな動物に関わる仕事をしていました。ダルメシアンの多頭飼いが夢。

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