まずなにからしつけるといい?しつけの順序
犬のしつけとは、人の社会で生活するためのルールを教えることです。
教えたいルールは非常に多くありますが、優先順位があります。
必ず教えておきたいこと、早く覚えてもらわないと困ることから教えていきましょう。
このように、犬のしつけは大変に感じられるかもしれませんが、日常生活で習得できることばかりです。
この記事では犬を自宅に迎えた日からスタートしたいしつけの順序を紹介します。
目次
トイレトレーニングは家に迎えたその日から
最初に取り組むしつけはトイレのしつけです。
トイレトレーニングと言われます。
ペットショップなどで既にトレイの上で排泄できるようになっている子犬でも、環境が変わると失敗してしまうことがよくあります。
トイレトレーニングの方法
まず、トイレの場所を決めてサークルで囲いましょう。
サークルで囲った中にペットシーツを敷き詰めます。
子犬は寝起きや食後によく排泄します。
床のにおいを嗅ぎながら落ち着きなくウロウロし始めたら排泄のサインです。
排泄のサインが見られたら直ぐにサークルの中に子犬を入れ、排泄が終わるまで待ちましょう。
繰り返しサークルの中のペットシーツの上で排泄させていると、排泄する時は決まった場所のペットシーツの上、と子犬は覚えてくれます。
ペットシーツの面積を少しずつ狭くし、また、排泄のサインが見られたらサークルにおやつで誘導して自分からペットシーツの上に行くように練習してください。
ちゃんとペットシーツの上で排泄できたら、体を撫でながら「できた!」「Good!」と褒め言葉をかけてあげましょう。
失敗した時は子犬の目を見ず、声もかけず、素早く掃除します。
必ず消臭剤を使って尿などのにおいを消してください。
排泄物のにおいが残っていると、そこで繰り返し排泄することがあるので注意してください。
夜はケージで過ごさせる
可愛い子犬と一緒に眠りたい! と思いますよね。
しかし同じ布団で寝るのはNGです。
寝床を一緒にすると、人は犬と同族というように犬が勘違いし、人はライバルで強さを競い合う相手と覚えてしまいます。
すると犬は人の指示に従わなくなってしまいます。
人間の寝相により事故が
また、寝ている飼い主の下敷きになって犬がケガをしたり、寝返りをうった飼い主に驚いた犬がとっさの反応で腕などに噛みつく事故も発生しています。
さらに、ひとりで過ごす時間を犬に経験させ、慣れさせることで、留守番のしつけの基礎も築くことができます。
家に迎えた数日間は恋しがって夜鳴きをするでしょう。
ですが、心を鬼にして夜はケージの中で犬だけで過ごさせるようにしましょう。
視線を合わせながらスキンシップを図ろう
人が誰かと話をする時は、相手の目を見ますよね。
お互いの目を見て対話することは、お互いの意志をよく伝え合う上で大切なことです。
通常、知らない犬同士が視線を合わせるとケンカになります。
飼い主と犬のアイコンタクトは信頼関係を築く上で欠かせないものです。
必ず名前を呼んだら犬が飼い主の顔を見るようにしつけましょう。
犬とスキンシップを図る方法
これを繰り返しておやつなしで視線があうようにしてください。
そして、おやつをあげた後、全身をしっかり撫でてください。
体のどこを触られても抵抗しない犬に育てましょう。
口、足、尻を掴まれたり、触られることを犬は嫌がります。
お腹をなでる
また仰向けにして腹を撫でることも繰り返してください。
体のどこに触れられても嫌がらない犬は、病院で診察を受けたり、歯みがきしたり、ブラッシングといったケアが楽にできます。
大暴れする犬では病気やケガの際に犬がつらい思いをするので、必ず慣らしておいてください。
スワレ、マテは食事の時に教えるのが一番
犬のしつけといえば「スワレ」「マテ」が有名です。
これは食事の時に教えるのが一番簡単です。
スワレのしつけ方
まず、犬の名を呼びましょう。
手に持ったおやつを見せて「スワレ」と声をかけながら犬の腰を押して座る姿勢を取らせます。
座ったらその瞬間に「よし!」と褒めておやつを与えます。
マテのしつけ方
座る動作を覚えたら、食事の時に「スワレ」と指示し、皿を犬の前に出します。
すぐに食事にありつこうとする犬の動きを抑え、目の前に手をかざして「マテ」と声をかけます。
数秒間待たせてから「ヨシ」を言って解放しましょう。
これを繰り返すと「マテ」という言葉とかざされた手を覚え、「マテ」という言葉や手の動きだけで動きを止めるようになります。
噛み癖は早いうちの対策を
犬の多くが元々、猟犬や闘犬として改良されてきました。
このため、獲物に噛みつく本能が強く残っています。
また、子犬は歯が生え替わる時期があり、口の中の違和感から色々な物に噛みつきます。
子犬の頃に噛んでいたものは、成犬になってからも噛むことが多くあります。
噛んで欲しくない家具などはガードしておき、噛んだ瞬間に「ダメ」と短く言って止めさせます。
ダメなことを教えると同時に、噛んでいいオモチャを必ず与えてください。
噛みたい欲求を満たしながら、ダメなものから遠ざけるようにしましょう。
クレートトレーング
多くの飼い主が、クレートを病院に行くときに使い、自宅では使っていません。
このためクレート=痛いことをされる前触れ、と覚えてしまったり、クレートに入ることを嫌がったり、出してもらえるまで鳴き続けることがよくあります。
また、クレートから出た後に楽しい体験をさせることで、クレートに対するイメージをプラスのものにしましょう。
お勧めなのが、クレートを犬の寝床にすることです。
これにより、犬はクレートを休む所と覚えます。
夜を過ごせるようになる
また、夜、ひとりでクレートで過ごさせていると、飼い主から離れて過ごすことにも慣れてくれます。
ひとりで過ごせる犬になれば、留守番も簡単になります。
なお、クレートに入るようおやつやオモチャで誘い、クレートに入った時に「ハウス」と声をかけます。
そうすると、クレートに入る行動と「ハウス」という言葉を関連付けて覚えてくれますよ。
社会化訓練も日常生活に取り込もう
犬には、人の社会に慣れるための訓練、社会化訓練が必要です。
しかし、予防接種が終わるまで、子犬の行動範囲は家の中だけになってしまいます。
こうしたことを避けるため、日常的にラジオやテレビを付けたり、録音した外の音を家の中で流すなどして、子犬の頃から外の音に慣れさせましょう。
しつけを生活の中に盛り込むと楽
犬のしつけというと「さぁ、今からしつけるよ!」と身構えてやること、と思いがちです。
しかし、多くのしつけが日常生活の中、よく取る動作を意識するだけでできるものです。
紹介した7つのしつけを、犬が家に来たその日から意識してみてください。
しつけも習慣化することで、長く楽に続けられます。
犬が人の指示を覚えるまで時間がかかることがよくあります。
根気よく、ストレスを感じないよう楽しくしつけを続けてくださいね。