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来い・おいでのしつけ方法と注意事項

犬のしつけで、来い・おいでは離れた場所にいる犬を呼び寄せる合図です。

ドッグランで遊んでいる時はもちろん、なにかの拍子に犬が驚いて逃げ出してしまったような万が一の時にも役立ちます。

「来い」「おいで」を習得するためには、以下のようなポイントを抑えておきましょう。

来い・おいでのしつけについて
合図の言葉は必ず統一させる
行動と言葉をセットで段階的に教えるのがポイント
まずは後ろ向きで歩く飼い主を追いかけるように誘導する
慣れたら二人で呼んでそれぞれの間を行き来する練習をする
アイコンタクトができないと「おいで」のしつけはできない
ドッグランに行く前に「おいで」のしつけを習得させる
日々の遊びを通して「おいで」のしつけを実践する

難しいことではなく、日常生活で楽しみながら実践できるしつけなので、ぜひ積極的に取り組みましょう。

飼い主が自宅でできるしつけ方法を紹介しますので参考にしてください。
 

合図となる言葉を決めよう

犬には、行動と言葉をセットで教えます。
まず、

来い
おいで
come
 
など合図となる言葉を決めましょう。

一度決めた言葉はずっと変えずに使う

また、他のしつけで使う言葉と頭文字が同じにならない言葉を選ぶと犬が理解しやすくてお勧めです。

日本語の指示の言葉には「お」で始まる言葉が多くあります。
おすわり、おて、おかわり、おいでなど、「お」で始まる言葉をよく聞くと思います。

犬が飼い主の指示を瞬間的に理解するためにも、しつけで使う指示の言葉は異なる音で始まるものを意識して選んでください。

【ステップ1】後退する飼い主についていく

おいでの最初のステップは、後ろ向きに歩く飼い主を追いかけられるようになることです。

(1)飼い主がドライフードを手に握る
(2)飼い主と犬が向かい合って立つ
(3)飼い主が犬の名前を呼び、アイコンタクトができたら犬の鼻先にドライフードを握った手を差し出す
(4)犬が手に意識を集中させたら、飼い主がゆっくり後ろにさがる
(5)犬がついてきて、飼い主の体に密着するくらいまで近付いたらフードを数粒食べさせる
(6)確実に犬がついてくるようになったら(3)のアイコンタクトの後に「おいで」と言い、ドライフードを持った手を差し出してください
 
(1)~(6)を何度も繰り返し、必ず飼い主の体に密着するまで寄ってくるように誘導してください。

犬にとって自由に走り回って遊ぶことは大きな楽しみ

飼い主のもとへ戻るとその自由がなくなります。
自分にとっていいことがなくなる行為を犬は嫌がります。

ですから、必ず飼い主のもとへ戻ったら、とてもいいことがある!と思わせなければなりません。

ドライフードを使った来い、おいでのしつけは、食事の前、お腹が空いている時が効果的です。

飼い主の元へいけば、おやつをもらえたり、体を撫でてもらえたり、嬉しいことが起こると覚えさせましょう。

【ステップ2】離れた場所から飼い主が呼ぶ

ステップ1ができるようになったら、飼い主と家族の二人でおいでのしつけをします。

二人の距離を徐々に離していき、3メートルくらい離れた場所から呼んでも確実に戻ってくるよう練習してください。

(1)AさんとBさんが向かい合って立つ(最初は二人の距離は手が届く距離にする)
(2)Aさんが座り、膝の間に犬をおすわりさせる(犬はBさんの方を向く)
(3)立ったBさんが犬の名前を呼び、アイコンタクトをする
(4)犬がBさんの目を見たら「おいで」と言って、ドライフードを握った手を犬の鼻先に出す
(5)犬がBさんの手に意識を集中させたらBさんは自分の方へ手を引く
(6)犬が寄ってきたらBさんが座って犬を褒め、ご褒美のドライフードを数粒あげる
 

(1)~(6)をAさんとBさんで交互にやりましょう。

少しずる距離を広げていく

できるようになったら、AさんとBさんの距離を少しずつ広げていきます。
そしてドライフードではなく、オモチャで誘ってみたり、呼ぶだけにしたりご褒美の内容を変えてみてください。

最終的には、どれだけ離れていても呼んだだけで走って戻ってくるようにします。
戻ってきたら必ず言葉と撫でる、というダブルのご褒美でしっかり褒めてあげましょう。

来い、おいでのしつけ方法の注意事項

愛犬はアイコンタクトができるでしょうか?

名前を呼べば確実に犬が飼い主の目を見るというしつけが完了していなければ、おいで、来いのしつけはできません。(参考:アイコンタクトを使った犬のしつけの方法

また、室内でできるようになったら外で練習しますが、外では必ずリードを付けて練習してください。

なにかに驚いて駆け出したり、興奮して飛び跳ねたりした時でも、リードを付けておけば直ぐに連れ戻すことができます。

ただ、リードが気になって練習できない犬も多いので、リードを付けられることに慣れさせてから練習するようにしましょう。

ドッグランに行くなら来い・おいでは必須!

犬の中には、猟犬として野山を駆け回っていたり、牧羊犬として広い牧場を走り回っていた犬も数多くいます。

そんな犬達を満足させてあげるのに、ドッグランは貴重な場所です。
また、多くの犬達がいるので、犬同士の交流の場としても活用できます。

しかし、ドッグランは来い・おいでができるようになってからでなければ利用できません

ドックランには最低限できるようになってから

飼い主の指示で戻ってこられない犬をドッグランで自由にすると、犬が戻ってこないばかりか、他の犬とトラブルになった時でも阻止することができず、安全を確保できない危険があります。

みんなで楽しく遊べるイメージが強いドッグランですが、しつけができていない犬が利用するとトラブルの原因になってしまいます。

必ずしつけをして、ルールを守れるようになってから利用するようにしましょう。

遊びの中で定着させ、万が一の場合でも実践できるようにしておこう

来い、おいでができるようになったら、実践できるか遊びを通して練習してみましょう。
リビングなどで自由に遊ばせている時に、名前を呼び「おいで」といって、ちゃんと犬が走ってくるか。

散歩中、リードを長く伸ばした状態にして自由に歩かせておいて、名前を呼んで「おいで」といった時に戻ってくるか。

繰り返し行う事で定着していく

こうしたことを繰り返し、確実に飼い主の元へ戻ってくるようしつけを定着していきましょう。
外を歩いていたり、ドッグランで不特定多数の人や犬達と一緒に過ごしていると、突発的なトラブルに巻き込まれることもあります。

愛犬の身を守ったり、トラブル回避のために、確実に来い・おいでができるように練習してください。

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須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

【ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士】

大型犬好きのドッグシッター。しつけ、ペットと旅行、ワーキングドッグの訓練やケア、鳥や馬など色んな動物に関わる仕事をしていました。ダルメシアンの多頭飼いが夢。

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