なめる犬の傾向としつけ方法
犬にとって相手をなめるという行為は最大限の愛情表現です。
愛犬に顔や口をなめられてもさほど抵抗がない、気にならないという方も多いでしょう。
でも一方でたとえ愛しい愛犬でもなめられるのはちょっと抵抗があるという方ももちろんいるはずです。
なめる行為の意味や、やめさせた方が良い理由などを知っておくことが大切ですね!
犬が顔をなめる行為は決して好ましいことではないので、正しいしつけで止めるように促しましょう。
今回は犬がなめることへの理解としつけ方について詳しくご説明させていただきます。
目次
なめる行為は犬にとっての愛情表現
犬にとってなめる行為は最大限の愛情表現です。
仕事や外出から帰宅した時や朝起きた時、抱っこをしている時に愛犬が家族の顔や口元をなめる行為も深い愛情のあらわれです。
なめる行為には様々なパターンがありますが、特に顔や口をなめる行為は相手に全幅の信頼を寄せている証です。
なぜなら相手と顔と顔を近づけるということは、自分の急所である喉や頭部が相手の射程可能範囲内に収まるという意味でもあります。
にもかかわらず無防備に近づくということは家族だからこその距離感といえるでしょう。
愛犬の日ごろの様子を思い浮かべてみてください。
毎日散歩で顔を合わせる犬やドッグランで仲良く遊ぶ犬友達と会った時、お互いにお尻の臭いを嗅いで挨拶をすることはあっても、顔をなめ合うことはありません。
犬が挨拶をするときにお互いのお尻の臭いを嗅ぐことは、無意識のうちに適度な距離を保つことや急所に届かない距離を保つことを意味しています。
生後3か月未満で家族に迎えられた犬に多いなめる行為
いつも家族の顔をなめる犬もいれば、家族に全幅の信頼を寄せ仲良く暮らしているにもかかわらずまるで顔をなめない犬もいます。
この理由は様々あり犬種や犬それぞれの性格やしつけの程度が関係しています。
小型犬は日常的に抱っこする機会が多く、自然と飼い主の顔が至近距離にあることからなめる傾向が強いともいわれています。
中でも生後3か月未満で家族に迎えられた犬はなめる傾向が多くみられます。
この背景には家族が親犬に変わり子犬育てを担ったことで、子犬がいつまでも赤ちゃんのままの気持ちを保ち、人間にまるで警戒心を抱いていないからです。
子犬にとってごく自然な愛情表現であり、家族も当たり前のように受け入れている行為ですが衛生やしつけの面からみると適切なしつけが必要です。
犬による顔なめは人畜共通感染症の危険もあります
愛犬からの愛情表現ではあるものの、顔をなめる行為はそのまま受け入れていいというものではありません。
犬と人間との間には人畜共通感染症という危険があります。
犬になめられることで体内に侵入したウイルスが原因で人間が命の危険にさらされることも珍しくありません。
特に免疫力の弱い小さな子供や年配の方や持病のある方は思わぬ事態につながる場合もあります。
しつけは悪いことではありません
微笑ましいや可愛いといわれることもある犬によるなめる癖は、お互いのためにきちんとしたしつけが必要です。
しつけをすることは決して愛犬を拒否することでも遠ざけることでもありません。
愛犬とは別の方法でコミュニケーションを図ることができますからご安心を。
顔をなめる犬しつけ方
顔をなめることが習慣になっている場合は、まずこの習慣をリセットすることから始めます。
愛犬が顔をなめようとした瞬間に家族が少しだけ体を反らし、顔をなめことができないよう距離を取ります。
愛犬は何度も顔をなめようと繰り返しますが、家族も根負けすることなく距離を取ります。
その上で愛犬がなめることを諦めた瞬間に多いに褒めてあげましょう。
愛犬にはなめることをしなくても十分に愛情が伝わっていることを理解させます。
愛犬にとってなめる行為は悪気のある行為ではないので、しつけのためといっても叱ってはいけません。
叱られると愛犬は愛情表現がいけない事なのではと戸惑ってしまうからです。
犬同士なめる行為は生後2か月程度まで
もちろん犬同士でもお互いに相手をなめることで愛情を伝えることがあります。
これは生後2か月ごろまで、つまりは授乳中の母犬が子犬をなめることで愛情を伝えたりお世話をするために行います。
その後の離乳を経て子犬が成長するとともに自然となめる行為は見られなくなってゆきます。
もちろんなめる行為をしなくてもお互いに愛情を感じ取っていますから問題ありません。
家族によるしつけもまるで同じ意味ですから、顔を反らすことや距離を置くことに罪悪感を抱く必要はありません。
小さな子供の甲高い声で犬のテンションもアップ
小さな子供がいるご家庭では、犬がひんぱんに子供の顔をなめたりじゃれ合い遊ぶことがあるでしょう。
とても微笑ましい光景ですが、この行為も人畜共通感染症につながる可能性があるのでしつけが必要です。
ただ小さな子供には大人のように都度距離を置くことや十分に褒めるという代替え案がなかなか実行できません。
その上小さな子供が遊びながら出す甲高い声は犬をますます興奮させてしまい、なめる行為もエスカレートします。
このような場合は大人が間に入りしつけのリーダーシップをとりましょう。
小さな子供を愛犬がなめる場合のしつけ方は
愛犬が興奮したりハイテンションな状態になっている時は、大人がお座りやフセやハウスといった指示を愛犬に出しましょう。(参考:伏せのしつけ方法と注意事項)
つまりなめる行為をやめて別の行動をするよう指示をします。
もちろん楽しく遊んでいる最中ですから、愛犬が即座に従わないこともあります。
このような場合は愛犬に無視することを許すのではなく、オヤツなどで愛犬の注意を引きつけ必ず指示に従うよう誘導をします。
お座りやフセをするということは愛犬を落ち着かせることとなめる行為をやめる意味があります。
この方法なら愛犬も子供も叱ることなくお互いが気分よくしつけに取り組むことができます。
まとめ
愛犬が家族をなめる行為は微笑ましくもありますが、しつけや人畜共通感染症という意味では必ずしも受け入れていいばかりではありません。
叱らずにしつける方法を活用ししつけに取り組んでゆきましょう。