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犬の分離不安とは?主な様子や原因について

いつも家族の後をついて歩いたり、家族が外出してしまうと途端に落ち着きが無くなってしまったり、家族に特別なやきもちを焼く愛犬の様子は何とも可愛らしいものです。

でもこの行動は単なる甘えん坊では済まされません。
もし愛犬がこのような様子を見せるときは分離不安という一種のストレス症を抱えているサインです。

即日解消する方法はありませんが、時間をかけてゆっくりと愛犬の不安解消に取り組んでゆきましょう

分離不安を抱えた犬の特徴
犬の分離不安は飼い主と離れると起こりやすい
子犬は精神的に自立できず分離不安を起こしやすい
分離不安で無駄吠えやトイレの失敗などの問題行動が起こる
性格や環境によってどんな問題行動が起こるかわからない
飼い主と離れて暮らすことも想定して早めに対処する

ここでは分離不安の原因や症状についてまとめてみました。

心当たりのある行動が見受けられる場合は、分離不安の可能性があるので早めに対処することをおすすめします。
 

多くの犬が抱えている分離不安症とは?

分離不安症とはその名前の通りで、誰かと離れること(分離すること)で起こる不安な精神状態のことです。

この対象はたいていの場合、家族の中の特定の1人です。
対象となる相手は多くの場合か気に当てはまる方です。

家族の中で一番世話をする時間が多い人
毎日食事を与える担当の人
夜一緒に寝ている人
日中に在宅する時間が長い人
この条件に当てはまるのは、家族の中では母親の場合が多く、分離不安はたいていの場合に母親を対象として起こります。

分離不安を発症している愛犬は母親の後を一日中ついて歩いたり、他の家族が見ても歴然と違いが分かるほどに母親に深い愛情を見せているのではないでしょうか。

家族が親犬代わりになっていることも分離不安の原因の1つ

本来子犬は生後3か月を追えるまで母犬や兄弟と共に過ごします。
この間に授乳から離乳を経験し精神的に自立をしてゆきます。

しかし大抵のペットショップでは生後55日から60日前後で子犬を販売しているので、子犬は精神的に自立をしないまま新しい家族のもとで生活をはじめます。

新しい家族のもとでは生後間もない子犬に至れりつくせりな環境が整っていますから、子犬は精神的な自立をしないままで身体的な成長だけが日々進んでゆきます。

つまり精神的には生後間もない赤ちゃんのままで体だけが大きくなってゆくということです。
この状態が分離不安へとつながります。

人間の赤ちゃんが親の姿が見えなくなると途端に泣き始めるように子犬も対象となる家族の姿が見えなくなると途端に精神的に不安定な状態になります。

この結果、過度なストレスや無駄吠えやトイレの失敗といった問題行動が起こります。

分離不安を起こしている犬の不在時の様子

最近は留守番中の愛犬の様子を確認することのできるWEBカメラも人気を集め、いつでも愛犬の姿を眺めることができます。

でも中にはこの方法を取り入れたことで、愛犬の問題行動に気がついたという方もいるでしょう。

留守番中に起こる問題行動で多いのは下記です。

無駄吠え
トイレの失敗
うろうろと歩きまわる
短時間の浅い睡眠を繰り返す
些細な音で飛び起きる
玄関や扉の前に体を寄せて待っている
これらの行動は犬が留守番中に神経過敏になっている証であり、その原因は住み慣れた家であってもリラックスした精神状態にいられないからです。

このようにリラックスした状態にいられない理由が分離不安です。

分離不安がもたらす愛犬の生活への支障

分離不安は愛犬が家族と共に過ごせている間は特に問題を感じることはありません。
甘えん坊な様子が愛おしく感じるでしょう。

でも犬の生涯において常に家族と体を寄せ合い暮らすことはできません
例えば下記のシチュエーションを想像してみてください。

ペットホテル
動物病院での入院
トリミングショップの利用
留守番
災害時の避難
このような場面でもし愛犬が分離不安を起こすとどうなるでしょうか?
愛犬は精神的に不安定になります。

表面化する要因

不安定になった結果下記のような様々な問題が起こります。

無駄吠え
凶暴になる
噛みつく
絶食
下痢
元気がない
警戒し臆病になる
脱走
これでは安心して愛犬を家族以外に託すことも犬専用サービスを利用することもできません。
すでに分離不安の傾向がみられる犬は、家族が知らぬ間にこのような様子が外部では起きているでしょう。

中でも動物病院の入院中は深刻な問題です。
食事を拒んだり、ストレス性の下痢が起こると病気の治療もままならない状態が続きます。

回復も遅れてしまうでしょう。
分離不安はこのように様々な場面で愛犬の負担となる深刻な問題です。

分離不安が原因で起こる様々な問題

分離不安は留守中や夜間など家族が不在中に起こるので、その場で対処ができず改善を難しいと感じる問題です。

分離不安が原因で起こる問題には無駄吠えのように近隣との騒音トラブルになるケースも珍しくありません。

また一方では恐怖や不安から鳴き声を上げることもできず、ただただ不安ばかりが募り家具や寝具にイタズラをしたり、トイレシーツを破るという行動や自傷行為にでることもあります。

どのような行動に出るかはそれぞれの性格や生活環境によって異なります。

ただ誤飲やイタズラが時には命の危険につながる場合もあるので決して解決を先送りにはできません。

不安分離のしつけ方や対応についてはこちらのページを参照してください。

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ライター紹介 ライター一覧

大谷幸代 (愛玩動物飼養管理士・メディカルトリマーetc)

大谷幸代 (愛玩動物飼養管理士・メディカルトリマーetc)

【愛玩動物飼養管理士・青山ケンネルスクール認定A級トリマー・メディカルトリマー・ホリスティックケアアドバイザー・神奈川県動物取扱業訓練 取得済】

大学在学中にイギリスへドッグトレーニングの勉強の為、短期留学。国内最大手のペット関連企業において、生体販売、トリマー、トレーナー、新規事業開発、成田空港内ペットホテル開業に伴うプロジェクトリーダーとして参加、ペット関連用品の開発、雑誌等へコラム執筆など、ペットに関するあらゆる分野を経験。

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