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しつけの適齢期はあるの?

犬のしつけの適齢期

犬のしつけに適齢期があるってご存知ですか? 

しつけにくさは適齢期をどう過ごしたか、ということが深く関係しています。
それが日本のペット業界のダークな部分と繋がっていることもあるのです。

犬のしつけ適齢期について
しつけをしやすいのは社会化期(生後2~3か月)の子犬
成犬になるほどしつけが難しくなる
日常生活や遊びを通していろいろなことを教える
生後すぐ~2か月までの時期もしつけに重要
しつけにくくなるのは生まれてすぐ親や兄弟から離されて売られるから
しつけの適齢期を過ぎても根気よく続ければ問題解決は可能

犬はしつけを行うべき適齢期はありますが、過ぎてしまっても不可能ではありません。

子犬を迎える前に知っておきたい、しつけの適齢期や正しい対処法を紹介します。
 

心が真っ白の子犬の方がしつけやすい

子犬と成犬、どちらがしつけやすいか? 
これはもちろん、子犬です。

成犬には色々な経験があり、その経験からいいことも悪いことも学んでいます
例えば、人に近付いて叩かれた経験がある犬は人に近付くことを躊躇します。

戸棚を開けて食べ物を獲得したことがある犬は、人に媚びなくても自力で狩りをして生きていく自信があり、なかなか指示を聞かず、棚やゴミ箱をあさることがよくあります。

やはり成犬のしつけは大変

経験して獲得した知識を消すことは難しいです。
違う経験をさせて別の知識を上塗りしなければならないので、成犬のしつけは骨が折れます。

まだなにも経験していなくて心が真っ白の犬の方が、人に対する警戒心も敵対心も嫌な記憶もないのでしつけやすいのです。

しつけは子犬の頃からスタートし、人と関わることが楽しいという経験をさせ、人の社会で生活するために必要なルールを教えていきましょう。

しつけの基礎となる重要な適齢期

犬は約1年で成犬になります。子犬の時期は約1年間ですね。

しつけは子犬のうちに行うのがベストですが、中でも生後2~3か月の頃は非常に重要な時期です。

生後2~3か月の子犬は離乳していて自力で排泄でき、足腰も強くなっています。
好奇心旺盛で適応能力も高く、しつけに適しています。

生後2~3か月というのは、ちょうどペットショップで買った犬を自宅に迎える時期でもあります。

つまり、自宅に迎えた時からしつけをスタートさせるのがベストなのです。

犬に教えておきたいこと

家族は誰か
犬が寝る場所はどこか
排泄する場所はどこか
犬は誰から食べ物をもらうのか
オモチャにしていい物と悪い物の区別
人との関わり方
 

こうしたことを日常生活や遊び、スキンシップを通して教えていきましょう。

自宅に迎えた時から人と犬の違いを明確にして教えるのと、甘やかして犬の好き放題させるのでは、今後の犬のしつけやすさが全く違ってきます。

どんな犬に育てたいのか、犬と一緒にどんなことをしたいのか

自分のライフスタイルに合わせて方針を決めておき、犬を家に迎えた時から節度ある接し方でしつけるようにしてください。

社会化期といわれる生後2~3か月の時期に、人の社会にどう順応していけばいいのかしっかり教えておくことが大切です。

しつけの適齢期より前の時期も重要!

生後2~3か月はしつけの面で大切な時期と紹介しました。しかしこれよりも前の時期も、非常に大切な時期です。

産まれて直ぐの子犬は自力でなにもできず、完全に母犬に身を預けて生きています。
しかし生後3週間くらいになると目も見えるようになり、耳も聞こえて歩くこともできます。

生後3週間以降、子犬は母犬や兄弟犬達と過ごし体験する

生後3週間以降、子犬は母犬や兄弟犬達と盛んに関係を持つことで、犬がどういう動物なのか、体験を通して覚えていきます。

食事の仕方、遊び方、ケンカの仕方を覚え、競い合いの中で自分の意思表示の方法を学んだり、犬社会のルールを覚えていきます。

生後1か月から人との関わるを覚える

さらに生後1か月を過ぎてくると、母犬や兄弟犬以外に、人の存在にも気付き、人との関わり方も覚えていきます。

母犬が人に対して好意的な態度を取ったり、人が優しく子犬達に接してあげると、子犬も人が大好きな性格に育ちます。

生後2か月までに犬同士の関わりを覚えているのが良い

生後2か月までの時期に犬同士の関係や人に対する態度などをしっかり学んでいる犬は、精神的にも安定して育てやすい犬になる傾向にあります。

生後2か月くらいまでの環境によって、他の犬といい関係を築けるのか?人に対する姿勢や人の指示の受け入れやすさなどが変わってきますので、家に迎えるまでの環境も重視してください。

しつけにくい犬を生みだしてしまうペット業界のダークな部分

日本では、小さくて幼い犬ほど喜ばれる傾向があります。
小さくて可愛いが犬達にも求められていて、生まれてすぐに親元から離されて商品になることがあります。

先に紹介したように、生後1か月くらいの環境もしつけやすさに関係してきます。
母犬や兄弟犬達と過ごす時間が充分でなかった犬は、人との関わり方も、犬社会のルールも知りません。

そんな犬が一般家庭に行き、人しかいない環境で育ち、急に外へ出て他の犬達と出会うとどうなるでしょう?

恐怖からパニック。適切な距離を保てない事例

強い恐怖を感じてパニックになったり、ストレスから体調を崩す可能性があり、さらに人と適切な距離を保って行動することができない犬になりかねません。

営利目的、利益最優先の一部のブリーダーやペットショップでは、小さくて幼い犬を商品にする傾向があり、しつけにくい犬を生み出す一因になっています。

可愛い!と思って数十万円を出して購入したのに、成長してから犬が問題行動を起こして困る! そんな例もあります。

子犬や親犬の生活環境とブリーダーの飼養管理技術は大事

確かに幼くて小さな犬は可愛いのですが、子犬や親犬の生活環境、ブリーダーの飼養管理技術などにも着目して子犬を選びたいものです。

これがのちのちのしつけやすさにも関係してきますので、慎重に検討してください。

適齢期を過ぎても、しつけは諦めず根気よく!

「犬のしつけは2~3か月の頃が適齢期で、重要な時期だ」と紹介しました。
しかし、この時期を過ぎたからといって犬をしつけられない訳ではありません

犬は学習能力が高く、新しいことも覚えてくれます。
しつけ適齢期を過ぎ、問題行動が現れてからであっても、適切に対応すれば問題は改善できます。

しつけの本を参考にする
しつけ教室に通う
ドッグトレーナーなどプロのアドバイスをもらう
 

色々な方法で愛犬に合った方法でしつけを試みてください。
子犬の頃からしつけ、人の社会で気持ちよく生活できる犬に育てていきましょう。

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須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

【ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士】

大型犬好きのドッグシッター。しつけ、ペットと旅行、ワーキングドッグの訓練やケア、鳥や馬など色んな動物に関わる仕事をしていました。ダルメシアンの多頭飼いが夢。

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