犬を迎えるまでの準備と心構え
これから犬を家族に迎えよう!
そう思ったときにどんな準備が必要なのか?どんな心構えが必要なのか?を考えておくことが大切です。
具体的には、以下のポイントをチェックしてみましょう。
いざ犬を迎えてから「こんなはずではなかった」とならないように、しっかり準備を整えておくことが大切ですね。
この記事では、犬を飼うということはどういうことなのか?についてお話ししますので、初めて犬を飼おうと考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
犬が飼える環境
最初に考えることは当たり前のことですが、「犬が飼える環境なのか?」ということです。
自分の持ち家であってもマンションなどではペット禁止の場合もあります。
一軒家であっても犬の吠える声でご近所から苦情が出る場合もあります。
そもそもペット禁止の賃貸アパートやマンションで犬を飼って、その結果その部屋を出るか犬を手放すかの選択を余儀なくされる場合もあります。
ほとんどの人は犬を手放すというケースをたくさん見てきました。
皆さんの家はどんな環境でしょうか?
犬にとっての環境作り
犬を飼うときに環境なんてと思うかもしれませんが安心して暮らすためには重要なことです。
犬にとっての環境作りはご近所への配慮も必要だと私は思っています。
犬が嫌いな人もいるでしょう。犬は好きでも吠える声はうるさいと思う人もいるでしょう。
ウチには犬が4頭います。隣近所との距離も近いため、吠える声で迷惑をかけることは避けられません。
ご近所さんに挨拶を
1頭目を迎えてまず実行したことはご近所へのあいさつ回りでした。
犬を迎えたことで吠える声が響くかもしれないこと、広くはない(笑)庭に出したりするので排泄物で臭うかもしれないということを先に謝罪して回りました。
そのおかげかはわかりませんが、今まで苦情が出たことはありません。
ご近所さんの人柄にもよるところが多いかも知れませんが、やってみる価値はあると思います。
室内で?庭で?
犬は家族の一員ですからもちろん室内で一緒に過ごすという方が多いと思います。
私は外飼いは反対派ですが、外飼いだからと言って犬を大事にしていないということではありません。
家族を群れとみなし、リーダーに従います。犬にとってのリーダーはその家族の長です。
それだけで犬は安心して暮らせます。
また、一緒に暮らすことによって犬の体調の変化などにもいち早く気付くことができます。
外飼いであっても犬が十分に動けるような広さが必要であり、家族の姿が常に見えるような環境であることが大事だと考えます。
外飼いは痴呆になりやすい
今まで痴呆になった犬の場合、多かったのは外飼いで1頭だけで飼われていたケースです。
家族と触れ合うことも少なく、刺激のない生活をしていた犬がとても多かったです。
「犬は番犬だから外飼い」という考えは昔のことです。
犬に危険が及ばないように
犬を迎える前に室内の環境を整えましょう。
子犬の頃は好奇心旺盛です。何でもかじってしまいます。
ゴミ箱もひっくり返してめちゃくちゃになります。
食べ物もいつもの習慣でテーブルに置きっぱなしにしていると食べられてしまいます。お腹をこわします。下痢をして衰弱することもあります。
犬が食べてはいけない食べ物はたくさんあります。
電気のコードを齧ったら命の危険があります。
また観葉植物も中毒を起こすことがあるので犬のいる部屋には置かないようにしましょう。
犬が届く場所に物を置くことはNGです。
安心できる場所
犬が安心して過ごせる場所を準備しましょう。犬は基本的に狭い場所を好みます。
愛犬専用の部屋としてサークルやハウスを家族の目の届く場所に用意しましょう。
お留守番の時など危険防止のためにもサークルは必要です。
トイレの必要性
散歩で排泄するという犬はとても多いですが、飼い主さんが「失敗した」と思う習慣でもあります。何故でしょうか?
飼い主さんが体調を崩し散歩に行けないこともあります。でも排泄を我慢している愛犬をそのままにはできません。
天気が悪くても飼い主さんの体調が悪くても排泄のために外へ行かなければならないのです。
そんな事態を避けるためにも室内でトイレを覚えさせましょう。
床材
最近は畳の部屋も少なくなりました。フローリングという家庭も多いのではないでしょうか。
このフローリング、犬の体にはとても負担がかかるのです。
肢がすべることで肢腰が悪くなり、歩行が困難な状態になる場合がとても多いです。
若いうちはと安心できることではありません。若いうちからの予防が大切なのです。
フローリングの上にカーペットを敷いたり、床が滑らないよう滑り止めを塗布したりといった予防策をしましょう。
その他にも
部屋の準備の他にも揃えなければならないものはたくさんあります。
トイレシーツ、食餌・水用の食器などがあります。
家族全員の気持ち
犬を迎えるということを家族全員が賛成していますか?
「お父さんは反対」「お母さんが反対」「子供が反対」などで家族の気持ちが一致していない場合があります。
理由としては「お父さんが犬嫌い」「お母さんが世話係を一任される」という場合で「子供が面倒みると言っていたのに結局はお母さん任せ」ということが一番多いのも事実です。
動物病院へ連れてくるのはほとんどがお母さんです。
「主人の犬なのに」とか「子供の犬なのに」という方がほとんどですが、おかしいと思いませんか?
「子供が欲しがったから」「主人が飼うと言ったから」「だから私の犬ではない」という人もいます。
犬を家族として迎えるということはその犬の一生を家族全員が責任を持つということです。
犬を飼う前にしっかりと家族で話し合いましょう。
「誰の犬」ではなく「家族の一員」です。
迎える犬種も含めてしっかり話し合いましょう。
子供がいる
子供がいる家庭の場合、犬を飼うということについては意見が分かれるところではないでしょうか?
子供の年齢にもよると思います。例えば、赤ちゃんの時には犬は飼うべきではないという意見が多数あります。
理由は赤ちゃんの世話で大変な時に犬の世話はできないというものです。
犬の世話は人間の赤ちゃん同様、大変です。赤ちゃん中心の家の中での犬の世話は難しいと言えるでしょう。
子供がある程度大きくなったら
子供の「情操教育」のために犬を飼うという方が多いです。
「情操教育」とは子供の感情面の豊かな発達を意味しています。
犬を世話することで命の大切さや責任感、生き物に対する優しさなど様々な感情が育まれると言われています。
ただし、犬の世話を途中で投げ出してしまってはいけません。
「仕方ない」と親が諦めては情操教育の意味はなくなります。
子供の役割を決めて毎日、実行しましょう。
親は子供に命の大切さを教えなければなりません。
共働きの場合
「犬を飼いたいけどウチは共働きだから」と飼うことを諦めている方もいます。
私はそういう方はきちんとした考えを持っているんだなと思います。
犬を飼うことの責任をちゃんとわかっている方だと思います。
では共働きだと犬は飼ってはいけないか?というとそんなことはないと考えます。
子犬は難しい
共働きの場合、子犬を飼うことは難しいと思っています。
何故なら、子犬は人間の赤ちゃんと同じように世話をしなければなりません。
生後6ヶ月~7ヶ月頃までは食餌は1日3~4回に分けて与えなければ低血糖を起こす恐れがあり、また健康で丈夫な体は作れません。
子犬の時期の食餌管理は絶対に怠ってはいけないことです。
また、排泄の問題もあります。
トイレを覚えるまでは付きっきりで教えなければいけない場合もあります。
生後6ヶ月~
生後6ヶ月ほどの犬であれば食餌回数も1日2回で十分になります。
他の犬と触れ合っていればある程度の社会性も身についているでしょう。
ですが、気を付けてもらいたいことがあります。
留守番が平気な犬もいますが、少なくとも1週間ほどは休みを取って少しずつ慣れさせるようにしましょう。
犬は人間が思うよりもずっとデリケートな動物です。
動物アレルギー
犬を迎えてみたらなんと犬アレルギーだった・・・という方もいます。
それまでアレルギーなんて無縁だと思っていたのに犬でアレルギーが出たらショックですよね。
どんな症状?
犬を触ったらかゆくなった、咳き込んでしまう、目が痒くなるなど症状はそれぞれです。
目が腫れたり鼻水が止まらなくなったりする人もいます。
アレルギーの原因物質
犬の毛、フケ、唾液中に多くこのアレルギー物質は存在しています。
アレルギーにならない犬はいないと考えましょう。
それでも犬を飼いたい
でもどうしても犬と暮らしたいと考えるなら予防や対策をしましょう。
まずは抜け毛の少ない犬種を選びましょう。
一緒に寝ることは避けましょう。
掃除はこまめに
アレルギー物質は空気中を舞っています。部屋の掃除・寒気は必ずこまめに行いましょう。
空気清浄器をおすすめします。
犬の体は清潔に
洗いすぎると犬の皮膚は乾燥してしまいフケの原因になります。
ブラッシングもやりすぎはよくありません。
犬のシャンプーは月に1回、多くても月に2回程度にしましょう。
シャンプーを使わずにお湯だけで体を流すこともいいでしょう。
暖かいお湯で濡らしたタオルで体を拭くだけでも効果は十分です。
多くは犬に合わないフードが原因でフケが出たり、体臭がひどくなったりもします。
その犬に合ったフードを与えること、人間の食べ物は与えないこと、犬のおやつもあげすぎるとフケや体臭の原因になります。基本的に犬におやつは必要ないと言われています。
でもコミュニケーションをとるうえで大いに役立つものでもあります。
フード・おやつ選びは慎重に行いましょう。
手を洗う
犬を触った後は必ず手を洗いましょう。唾液でかぶれてしまう場合もあります。
予防や対策などの工夫次第で犬と一緒に暮らせることも確かです。
念のため自分や家族のアレルギー検査をすることをすすめます。
その結果次第でもう一度、家族で話し合うことも大切です。
転勤や引っ越し
仕事で転勤、引っ越し先が犬が飼えないといって犬を手放す・・・私には理解できないのです。
なぜ、犬が飼える家を選ばないのか?
転勤先は社宅で飼えないという人にはなぜ、社宅以外を選ばないのか?
家族を手放すことはありえません。
こんな状況になることも十分考慮し、犬を迎えましょう。
飼えなくなったら
これも絶対にあってはいけないことだと思っています。それぞれ事情はあるでしょう。
飼い主さん一人の場合に飼い主さんが病気で犬と暮らせなくなった。飼い主が高齢で犬の世話ができなくなった。どうすればいいか?という相談はよく聞きます。
家族のいない場合は友人に力になってもらえるのか相談しておきましょう。
飼い主さんに代わって世話をしてくれる「老犬ホーム」もありますが費用はかかります。
飼い主さんが病気で長期入院し、犬を引き取った家族が面倒になった犬を引き取ったこともあります。
その時の犬はボロ雑巾のようになっていました。
栄養失調で命が尽きる寸前でした。
絶対に責任と覚悟を持ってから迎えましょう
→公益財団法人 日本動物愛護協会
関連ページ→愛犬を迎える前に知っておきたい犬の十戒とは?
↓動画バージョンはこちら
まとめ 犬はモノではない。家族です
犬を家族に迎える場合は「もしも」の時のことも考えなくてはなりません。
自分が病気になることは若いうちは考えないかもしれません。
ですが、年齢は関係ないのです。
厳しい言い方ですが犬を手放す人は後先考えずに「可愛かったから」「なんとなく」という理由だけで犬を飼います。
簡単に手放すことも平気です。
犬を飼うということはその「命」を預かり、その「命」に責任を持つことです。
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