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犬とリーダー・主従関係の考え方

犬の主従関係

「愛犬はペットではなく家族の一員!」そんな考え方が広がっていて、愛犬を人と同様に扱い、人と同じように接する飼い主が増えています。

この考え方で犬に接していると、しつける時に不都合に感じることがよくあります。

犬を人のように扱うのではなく、人がリーダーになって主従関係を築いた方がうまくしつけられます
その理由は以下のとおりです。

人間がリーダーになって犬と主従関係を築くポイント
犬は群れで生活していた動物なのでリーダーに従う
リーダーがいないと自分がリーダーになって家族を制御しようとする
犬は日常生活のやりとりで家族の順位をつけようとする
犬が家族の一番下になるようにしつけする
犬は家族の一員でも人間と同じ扱いにしてはいけない
いざという時に犬を制御できるように指示と行動を覚えさせる

犬にさまざまなしつけを覚えさせるためには、リーダーとなる飼い主さんと犬の間にしっかり主従関係を築くことが大切です。

この記事では人間がリーダーになるべき理由や、主従関係を築くコツについて紹介します。
 

動物は強いものに従う習性がある

犬は人ととても近い距離で生活しており、性格も愛玩動物として改良されてきました。
しかし動物であることに変わりはなく、動物は強いものに従う習性があります

犬にとっては飼い主の家族が群であり、群の中で一番強いものがリーダーになります。
強いリーダーがいれば休む場所や食事の心配がないと犬は考えています。

リーダーがいないと自分が統率しようとする

もし群の中に強いものがいなければ、犬は「俺がリーダーになって群を統率しよう!」と考えるようになります。
オス犬にはよくあることです。

犬が「俺がリーダーだ!」と考えるようになると、犬が飼い主や家族の行動を制御しようとします
時には牙を剥き「俺に従え!」と飛びかかってくることもあります。

犬が人の社会で犬が生きていくためには、人が犬に社会のルールを教えて従うように誘導してあげなければなりません。

犬が人の指示をきくためには、人が犬よりも強いと犬が理解していなければなりません。
つまり犬をしつけるには人がリーダーになった方がいいのです。

愛犬は家族の中で一番下

動物の群にはリーダーがいますが、それ以外のものたちの間には順位があります。
順位には、血縁関係や力の強さ、体の大きさなど色々な要素が関係しています。

順位は頻繁に変わるものではありませんが、日常的なやりとりの中で強弱が逆転し、入れ替わることがあります。

順位が上のものは快適な寝床や食事の優先権などを得られます。
順位は上の方が快適な生活ができるんですね。

順位に関する気にする傾向はペットの犬にもみられます

犬は飼い主や家族に対してちょっかいを出しながら、実は戦いを挑んでいることもあります。

犬は日常的に自分は家族の中で何番目か?ということを気にしています。
ですから必ず日常生活の中で犬に「あなたが一番下よ」と教えておくといいですよ。

犬が家族の中で一番下という風に教えておくと

「犬が赤ちゃんに噛みついた!」
「犬が子どもに飛びかかってケガをさせてしまった!」
 

というようなトラブルを避けられます。

家族の中で犬が一番弱い立場であることを教える方法

家族全員が食事を終えてから、犬に食事を与える
オモチャで遊んだ時は、飼い主が取り上げて終わりにする
犬と同じ布団で寝ない
ソファなど、人が座る所に座らせない
外へ出る、家に入るという時に犬の順番を最後にする
 

食事は強いものから食べますし、獲物は強いものが獲得します。
同じ場所で寝たり、同じ場所に座って休むことで、犬が自分は人と同族と勘違いしてしまいます。

強いものが全てにおいて優先権を得るのが動物

なにげない日常の中で、それを意識して行動すると犬が混乱することがありません。

行動で犬は人よりも順位が低いと覚えさせ、人の指示に従うようにしつけましょう。
こうすることで、犬が人の社会で安全で安心して生活することができますよ。

犬であることを忘れないで

当然のことでしょう? と思いがちですが、意外に忘れてしまうのが、犬は人と違うということです。

家族のように接し、毎日一緒にいるので「この子は大丈夫」「この子は人のことをよく理解している」と、犬を人と同じように思い込んでしまう飼い主がいます。

人が食べても大丈夫なものでも、犬は食べられないことがある
人と犬では、摂らなければならない栄養素の種類や量が違う
犬には牙や爪といった人を傷付ける武器がある
犬は本能的な欲求を抑えられないことがある
犬には人権がない
 

例え犬はペットではなく家族だ!と思っている人でも、上記の5つのことは忘れないでください。

忘れてはいけない犬への感覚

上記5つのことを失念してしまうと

人の料理を食べて犬が中毒や栄養失調・栄養過多になる
来客時にトラブルになる
突然の犬の攻撃的な行動に対応できなくて人を傷付けてしまう
公共の場で他人が不快に思う行動をとってしまう
 

といったトラブルの原因になってしまいます。

犬の本能的欲求

犬にはこのような強い本能的な欲求があります。

「噛む」
「吠える」
「獲物を追う」
「全力で走り回る」
「繁殖行為」
「争う」
 

人は理性で本能的な欲求をコントロールできますが、犬はコントロールできません。

人が注意し制御し、調整しなければなりません。

短い言葉での指示を教える

愛犬には「マテ」「スワレ」「コイ」など、短い指示の言葉を教えておきましょう。

座る動作を促しながら「スワレ」と声かけする、ということを繰り返せば「スワレ」と言われただけで座れるようになります。(参考:おすわりのしつけ方法と注意事項

短い指示を聞き取って行動を制御できると、犬の身を守ることや人の身を守ることにも繋がります。

人の社会で犬が生きていくには、人の制御が欠かせない、ということは忘れないでくださいね。

まとめ

犬は大切な家族の一員であることに間違いありません。

しかし、犬は強いものに従う動物です。
飼い主がリーダーになると、犬が指示を聞きやすくなり、しつけやすくなります。

食事の順番、外へ出る順番、寝る場所などを工夫することで、犬が家族の中で最も順位が下である、と教えられます。
犬の順位が一番下になれば

犬が子どもに噛みつく
子どもが犬を散歩に連れ出した時に子どもの指示に従わなくてトラブルが起こる
 
といったリスクも低く抑えられます。

きちんとした主従関係は大事

「犬に人が命令するということが意にそぐわない」と思う方もいるかもしれません。

しかし犬が動物であること、人が社会のルールを犬に教えなければトラブルが発生することを考えると、人がリーダーになり主従関係を築くことが望ましいと考えられます。

ぜひあなたがリーダーになって安心して生活できる環境を犬に整えてあげてください。
それが犬のためでもあり、家族のためになりますよ。

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須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

【ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士】

大型犬好きのドッグシッター。しつけ、ペットと旅行、ワーキングドッグの訓練やケア、鳥や馬など色んな動物に関わる仕事をしていました。ダルメシアンの多頭飼いが夢。

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