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犬に必要な栄養素の基本は?

犬の栄養素基本

愛犬の健康、長寿を考える中でドッグフードの栄養学研究は日々進歩しています。
ドッグフードの品質もここ十年程でますます改良されています。

また一方でアレルギーや生活習慣病、高齢時のケアを愛犬それぞれにあった食事でと、手作り食をする方も増えています。

犬には、本来の食性に基づいた「必須栄養素」という食事の基本があります。

必須栄養素を知り、よりバランスの取れた食生活を続けてあげましょう。

犬の食性は雑食系肉食に分類されます

動物の食性は大きくわけて肉食と草食に分類されます。

犬や猫は共に「肉食性」に分類されます。
その中でも、犬は雑食性肉食という部類に分類されます。

この雑食という意味は、現在のようにドッグフードが普及するまで、犬は飼い主の食事の残り物をもらい食べる事が当たり前という生活を送っていました。

その為食事の内容は肉や魚といったタンパク質以外に、米や炭水化物、野菜など様々な食材が入り混じっていたからです。

犬の脳には満腹中枢という機能がありません。
どのような食事を出されても、えり好みする事なくすべて完食するという食生活を送ってきました。

腐食物を食べる食性

また、犬には「腐食物」を食べるという食性もあります。
人間からあたえられた食事や野生の環境下で手に入れた食べ物が腐敗していても、犬は抵抗なく食べる習性があります。

犬は目の前に食べ物があれば、その食べ物がどのような状態であっても、たとえ自分には本来必要の無い栄養素であっても完食するのです。

猫とは違う習性を持つ

ちなみに、猫は完全肉食性の動物で、腐食物を食べることもありません。
猫も犬と同様に人間の食事の食べ残しを分け与えられるという生活を送っていたものの、脳に満腹中枢の機能が備わっています。

本来必要としない栄養素はあえて接取しない、腐敗している物を危険と認識し受け付けないという習性があります。

このように犬は、動物の栄養学的に本来必要とする食事以外でもえり好みする事なく食べてしまいます。

偏った栄養バランスや本来必要とする栄養素が慢性的に不足する事で、アレルギーや生活習慣病、様々な内臓疾患を引き起こしてしまいます。

犬の健康にとって欠かせない必須栄養素とは

犬には健康な体を維持する為に必ず接取し続けなければならない栄養素があります。
この栄養素は、すべて体内で生成する事が出来ないので常に食事から接取し続けなければなりません。

どんな栄養素が必要なのか?

犬の必須栄養素の項目です。

動物性タンパク質(肉や魚)
糖質(炭水化物)
脂質
ビタミン
ミネラル
 

タンパク質は大事

中でもタンパク質は最も摂取量が多く必要になる栄養素です。

タンパク質には動物性と植物性の2種類がありますが、犬に必要なタンパク質は動物性です。

市販のドッグフードのパッケージには成分表示という記載があります。
この項目にタンパク質含有比率が記載されています。

タンパク質の含有量は18%以上が基準を満たす値

アメリカのドッグフード栄養学の研究団体であるAAFCOの発表によると、タンパク質の含有量は18%以上である事が、犬の必須栄養素の基準を満たす値であるとされています。

この数値は、本来動物性たんぱく質のみで構成されている事が理想的です。
市販のドッグフードの中には大豆などの植物性タンパク質を多く配合し、タンパク質の構成比率をクリアしている製品も多く見られます。

大豆などの植物性タンパク質は調達コストを安価に抑える事が出来ますね。
肉や魚を配合するよりも製品価格を下げる事が出来ます。

その結果、犬は必須とする栄養素が慢性的に不足してしまいアレルギーを多発したり、様々な生活習慣病をおこしてしまうのです。

原材料表示を確認してください

ドッグフードを選ぶ時は、原材料表示を確認して判断材料としましょう。

主原料が動物性タンパク質である事
必須栄養素が配合されている事
成分構成比が犬の栄養基準を満たしている事
 

犬の必須栄養素を満たしているかどうかの基準は、AAFCOの定める成分数値をクリアしている事で表記が許される「総合栄養食」という記載があるかどうかでも判断が可能です。

犬の必須栄養素が満たされている総合栄養食とは?

総合栄養食とは、AAFCOの定める栄養基準を満たしている製品にのみ記載が許可される言葉です。

最近では、このAAFCOの基準を更に上回る高い比率で動物性タンパク質を配合した高品質な製品も続々と登場しています。
日ごろ、店頭やインターネットで販売されているドッグフードの大半は輸入ブランドです。

輸入ブランドが主流となった背景

犬の栄養学に関する研究が日本より進んでいる事
国内ブランドの製品より高品質な製品が多い事
アレルギー対応用にカンガルーやウサギ、馬など日本では一般的でない素材を配合した製品が入手出来る事
 

輸入ブランドが主流となった背景にはこれらの理由が挙げられます。

輸入ブランドが多用化する中で、アメリカの団体が提唱する栄養素基準を採用せず、独自の栄養基準を用いている製品も多々あります。
ドイツ、イギリス、カナダ、オーストラリアと様々な国の製品が販売されています。

しかしいずれの製品を購入する場合でも、原材料、成分表示を確認し犬が本来必要とする栄養素がきちんと配合されているかを確認しましょう。

まとめ

犬の栄養学と聞くと難しい、専門的な学問という印象を受けますが、実際には私達人間とさほどかわりはありません。

ただ人間と大きく異なる点は良質な動物性タンパク質が毎日相当量必要になるという事です。

愛犬の食事は安心出来る品質、素材の製品を選び、日々の健康管理に取り組んであげましょう。

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ライター紹介 ライター一覧

大谷幸代 (愛玩動物飼養管理士・メディカルトリマーetc)

大谷幸代 (愛玩動物飼養管理士・メディカルトリマーetc)

【愛玩動物飼養管理士・青山ケンネルスクール認定A級トリマー・メディカルトリマー・ホリスティックケアアドバイザー・神奈川県動物取扱業訓練 取得済】

大学在学中にイギリスへドッグトレーニングの勉強の為、短期留学。国内最大手のペット関連企業において、生体販売、トリマー、トレーナー、新規事業開発、成田空港内ペットホテル開業に伴うプロジェクトリーダーとして参加、ペット関連用品の開発、雑誌等へコラム執筆など、ペットに関するあらゆる分野を経験。

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