食べ物を隠す犬の心境としつけ対策
食べ物を残し、こっそりとテレビの後ろや家具の陰に隠すクセを持つ愛犬に悩む方がいます。
後で食べるのは不安ですし、食べなくても困りますよね。
ペットなら必ず食事をもらえるのにどうして隠すのでしょうか?
食べ物を隠そうとする犬は、状態を確認して執着しすぎないようにしつけることが大切です。
この記事では食べ物を隠す犬の心境と対策、しつけについて紹介します。
目次
隠す動作は本能
犬の祖先は狼といわれています。
狼には狩りが成功した時に残った肉を隠しておいて飢えをしのぐ習性があった、という説があります。
犬にこの本能が残っていて、大切な食料を隠そうとすることがあると考えられています。
ペットの犬は、毎日、食事を与えてもらえるので隠す必要も、後から掘り出して食べる必要もありません。
しかし「必要ではないのについつい隠してしまう」ということがあります。
食べ物を隠す場合の対策
対策としては、叱るのではなく隠せないよう誘導しましょう。
愛犬が頻繁に食べ物を残して隠すようなら、1回の食事の量を減らし、1日の食事の回数を増やしてみましょう。
確実に食べきれる量だけを与え、残すフードをなくしてしまいましょう。
食事の回数を増やせば1日分のカロリーは摂取できます。
また空腹を感じる時間が短くなって飢えを感じる時間が短くなります。
こうした対応でしばらく様子をみてみましょう。
多頭飼いで競争関係が成り立っている?
多頭飼いしている人で、特定の犬が食べ物を隠すなら、まず、その犬の順位を確認してみてください。
食べるのが遅かったり、強い立場の犬の隣で満足に落ち着いて食事をとれなかったり、食べ物を巡る争いで負けてばかりいませんか?
食事環境を整えよう
別々の部屋で食べるようにしたり、ついたてなどを利用して周囲に気を取られずに落ち着いて食事ができるような環境を作ってください。
誰かに隠れて食べないといけないような環境にならないよう、それぞれの性格や順位をチェックしてください。
ストレスが原因のこともある
食べ物に限らず、クツ、スリッパ、オモチャなど様々な物を集めて、隠す犬がいます。
これは縄張り意識が強く、ここは自分が支配している所である、と主張したい犬に多くみられます。
また、外で飼っている犬の場合、庭の土を掘り返し、そこに身を潜めたり、物を埋めて隠したりすることがあります。
強引に物を取り上げたり、叱りつけると逆効果になることもあります。
ストレスチェック項目
しかし、頻繁に掘る仕草や食べ物などを隠す行為が見られるならストレスが溜まっていないかチェックしてみてください。
特に、外で飼っている犬が頻繁に土を掘ったり、物を隠したり、身を潜めようとする行動が見られた場合は、外の環境に不満を持っていると考えられます。
強いストレスには代替行為を行う
犬は強いストレスがかかると、なにか別の行動に出て自分を落ち着かせようとします。
代替行為として食べ物や物を隠す行為に出ることがあります。
犬には必ず、犬だけが使う安心して休める場所を用意してあげましょう。
通気性がよく、静かで、邪魔が入らない環境にしてください。
そのサインを飼い主が的確に受け取り、対策をとってあげましょう。
モノを守る犬にしない
犬種によりますが、物を拾い集め、隠して自分のものにする習性が強く残っている犬がいます。
こうした犬は、食べ物に限らず、床の上に落ちている物ならなんでも集め、保持し隠します。
床に落ちたものは自分の物
例えば、飼い主が机から消しゴムを落としたとします。
それを拾おうとして床に手を伸ばした瞬間、愛犬に噛みつかれたというケースもあります。
これは「床に落ちたものは自分の物」という考え方の犬のもとに、迂闊に手を伸ばした飼い主の手を
「侵入者!」「俺のものを奪い取る敵!」と勘違いしたせいで起こります。
こうしたことにならないよう、子犬の頃から物を保持して守らない犬にしつけましょう。
しつけ方は、物を自分のものにしない方がいいことがある、と経験させ、徐々に拾って守りに入らないようにします。
しつけ方で大事なこと
犬が守りに入った時、犬にとって嬉しいことで気を反らせ、物を飼い主が取り上げます。
チョウダイができる子なら、隠しているものを咥えたときに「チョウダイ」と言って離させるのも手です。
保持しないで離した方がいいことがある、と覚えれば、犬はものを集めたり隠さなくなっていきます。
犬の本能は許しつつ対策を取ろう
犬は食べ物や大切なものを隠し、後から食べようとしたり、自分のものとして収集したりします。
これらは本能的な欲求に基づく行動なので、強引に止めさせようとしない方がいいこともあります。
ただ、ストレスからくる行動であったり、多頭飼いの弊害だったり、散歩不足や寝床の環境が悪いことが影響していることもあります。
犬の状態と環境をチェック
まず犬の状態を確認し、環境を見直してみてください。
それから保持しないためのしつけを繰り返しましょう。
経験すれば拾って隠そうとすることは減るでしょう。
愛犬のタイプが本能・ストレス、どちらからくるものか判断し、それに合わせて対応してください。