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だっこに関する正しい方法としつけ

意外に思う人がいますが、だっこを嫌がる犬は少なくありません。
また、誤っただっこで犬にケガをさせたり、適切ではないだっこのせいで犬が勘違いして問題行動を起こすこともあります。

犬をだっこする際に飼い主が知っておくべきポイントをまとめました。

犬のだっこについて
犬がだっこを嫌がるのは嫌な経験があったから
犬は本能的にだっこの姿勢を嫌がる場合がある
いざという時にだっこが必要になる場面もある
ストレスを感じさせないようにだっこに慣らす
短時間、膝の上、仰向け、横向きなどにも対応できるように慣らす
大きい犬は抱きかかえるようにするのがポイント
離不安を引き起こす場合があるのでメリハリをつける

犬をだっこすることは甘やかしではなく、必要になる場面に備えて慣らすことも大切ですが、だっこのしすぎも禁物ですね。

この記事では、正しいだっこの方法としつけを紹介しますのでぜひ参考にしてください。
 

犬がだっこを嫌がる理由

だっこをすると暴れて嫌がる犬がいます。
これは、だっこと嫌な記憶が結びついているのが原因です。

強引なだっこで胸や腹を圧迫された
不安定な宙吊り状態で不安になった
落とされた
 

など嫌な経験をすると犬はだっこを嫌がります。

元々、本能的な拒否反応がある

また仰向けは弱点のお腹をさらすことになると同時に相手に服従の意志を伝える姿勢です。
もうひとつ、犬は前足を掴まれるのを嫌がります。

こうした犬の本能的な拒否反応から、だっこを嫌がることもあります。

だっこを嫌がる犬を強引に抱くと、噛まれたり、落としてしまったり、抱いた人と犬自身、両方が不利益を被ることがあります。

だっこを嫌がる犬には、まず、だっこが嫌なことではない、と理解させる必要があります。

だっこは大切なしつけのひとつ

だっこは甘やかす行為で必要ないことと思いがちです。

しかし、散歩の練習や危険な場所から避難する時、動物病院で診察台に乗せたり処置してもらう時にだっこは必要です。

老犬の時期には重要になります

さらに老犬になって介護が必要になった時など、だっこは欠かせない行為です。
このため、だっこされても嫌がらないだけでなく、犬がストレスを感じないように慣らしておきましょう。

だっこされたら安心できる、リラックスできる、嬉しいことが起こる。
こんな風な経験を積ませ、自分から身を委ねてくるようにしつけておきましょう。

犬を移動させる時のだっこ(短時間のだっこ)

子犬をトイレサークルの中に入れたり、少しの距離を移動するだっこは両手を使います。

(1)飼い主は犬の背後に立ち、両手を犬の脇の下に差し入れます
(2)犬の両脇を包みこむようにして、真っ直ぐ真上に持ち上げてください
(3)犬の胴と床が平行のまま移動してください
(4)犬の体を縦に起こしたり、空中で抱え直したりせず、そのまま移動先に降ろします
 

犬は四本の足全てが宙に浮いているので不安を感じます。
慣れないうちは短時間だけにしてあげましょう。

膝の上でだっこする

犬は足が床についていないと不安になります。
また、抵抗されて落としてしまう危険を避けるために、最初は座った状態で膝の上でだっこしてみましょう。

(1)飼い主が正座する
(2)飼い主の膝の上に犬を乗せ、横向きでお座りさせる
(3)犬の前足の脇から胴にかけて、手の平全体で優しく抑える
 

優しく声をかけながら胸元や首元を撫でてあげましょう。
犬はリラックスするとお座りからフセの姿勢になります。

脇、胸元、肩周辺、お腹などを優しくマッサージしてあげましょう。
気持ちがいいと感じると犬はウットリとした表情になり、だんだん体の力が抜けて最後は寝てしまいます。

飼い主の膝の上が気持ち居場所で、安心して眠れると覚えると犬は喜んで身を委ねてくるでしょう。

おやつを握って膝で食べさせる方法も

もし激しく抵抗するならおやつを握って膝の上で食べさせてもOKです。
膝の上にいるといいことがある、と覚えてもらいましょう。

おやつなし、撫でるだけで静かにしていられるように慣らしていってください。

膝の上で仰向けにする

膝の上でだっこするのに慣れたら、犬を膝の上で仰向けの状態にしましょう。

お腹をさらけだす姿勢は弱いものが強いものに「あなたに従います」「抵抗しません」「私の方が弱いです」という意志を示す姿勢です。

ケンカを避けたり、順位を確認するときに取る姿勢です。
この姿勢を飼い主に対して取らせましょう。

飼い主が優位な事を覚えます

こうすることで飼い主が優位であることを犬が覚えます。

仰向けにした犬の首元や脇、お腹をマッサージしてリラックスさせてあげましょう。
慣れてくると犬は仰向けの姿勢でいびきをかいて寝るようになりますよ。

横だっこで移動する

横だっこで移動するのは、長時間のだっこや散歩の練習で使えます。
膝だっこに慣らして抵抗しないようになって練習しましょう。

横抱っこの場合、まず、飼い主と犬が並んで立ちましょう。
そして、飼い主の手の平に犬の胴を乗せます。

犬を持ち上げたら飼い主の体に犬の体を密着させ、腰骨の辺りに乗せるようにして安定させましょう。

大きい犬の時の抱き方

犬のサイズが大きい場合は、犬の胴を手の平で支えながら、全身を脇に抱えるようにします。
絶対に落とさないよう、腕や腰骨を使って安定させてください。

横抱きの姿勢でドライフードを数粒食べさせながら、ゆっくり室内を歩いてみてください。
大人しく抱かれたまま移動できるようになったら、庭へ出ましょう。

犬が安心して飼い主に身を任せられるようになれば、横だきの姿勢で散歩の練習、外の世界の音や現象に慣れる社会か訓練ができるようになります。

勘違い予防のためにメリハリをつけよう

だっこは大切なしつけのひとつですが、だからといって一日中ずっとだっこするのは止めましょう。

だっこすると犬の視線が高くなり、上から周囲を見下ろすことになります。
多くの動物は視線の高さで相手の大きさや強さを判断します。

上から見下ろす行為は、強いものが弱いものに対して取る態度ですだっこされた犬が常に高い位置から周囲を見下ろし、人を下に見続けることは好ましくありません。

犬が「俺の方がえらい!」「俺の方が上なんだ!」と勘違いし、家族を支配しようとすることがあります。

分離不安のためにやりすぎない

また、ずっとだっこされ続けて飼い主と離れる時間が短いと、分離不安といって飼い主から離れていられなくなる心の病気になることがあります。

だっこは必要なしつけですが、寝ても覚めてもだっこ、移動は全て抱っこというようなことは避けてください。

だっこする時間と犬が飼い主から離れて過ごす時間の両方を作り、メリハリのある過ごし方でだっこのしつけをしてください。

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須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

【ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士】

大型犬好きのドッグシッター。しつけ、ペットと旅行、ワーキングドッグの訓練やケア、鳥や馬など色んな動物に関わる仕事をしていました。ダルメシアンの多頭飼いが夢。

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