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飼い主の心理状態を犬は読み取っているの?

言葉を交わさなくても、一緒に住んでいる家族ならなんとなく通じるところがあったりしませんか?

これはペットの犬も同じで、犬の方が飼い主や家族の様子、心理状態を読み取って心配するような行動や、空気を読んでいるような行動を取ることがあります。

そんな飼い主の心理状態を読む犬について紹介します。

飼い主の心理を読み取る犬について
飼い主を信頼している犬ほど心理状態を察知してくれる
飼い主の目をしっかり見る犬は信頼してくれている証
いつもと違う飼い主の行動に素早く察知する
飼い主の変化を察知すると犬は不安を感じて吠えやすい
人間にはわからない匂いや音も敏感に察知する
犬が様子をうかがうように近づいてきたら撫でて安心させる

このように、犬は飼い主の心や行動を敏感に察知してくれます。

犬と良い信頼関係を気付くために知っておきたい、飼い主の心理状態を読み取る犬の行動について詳しく紹介します。
 

目がよく合う犬ほど飼い主のことを察知しやすい

名前を呼ばれたら直ぐに反応して飼い主の目を見るような犬は、飼い主のことを信頼していて従うことに安心と喜びを感じています

飼い主に寄り添い、一緒に時間を過ごすことに楽しみを感じているので、目がよく合う犬ほど飼い主に強い興味を持っており、ちょっとした飼い主の行動にもよく反応します。

心理状態が行動に出ることってありますよね。
悩み事があったり、不安が強い時やつらい時は、動きに力がなくなったり、落ちついていられなかったりします。

こうした飼い主の行動から犬は心理状況を察知します

もともと犬は集団で生活する生き物

犬はリーダーが統率する群で生活していた動物です。
ペットの場合は飼い主がリーダーで、家族が集団になります。

飼い主が不安になって頼りない行動を取るようになると犬も不安になります。
安心して従うことができなくなると「どうしよう!」と迷い、落ち着かなくなってしまいます。

飼い主がなにか落ち込むようなことがあると、それを察知した犬がソッと寄り添ってきて足などに体を押し付けてくることがあります。

慰めてくれている、と思うかもしれませんが、これは飼い主の不安な心理を察知して、犬自身も不安になり、安心感を求めて体を寄せてきていることがあります。

こんな時は、そっと犬を撫でながら大丈夫だ、と犬に安心感を与えてあげてください。

記憶と違う行動に違和感を覚える

犬は飼い主のことをよく見ています。
また、犬は記憶力がよく、毎日繰り返されることは特にしっかりと覚えています。

人はなにか嬉しいこと、楽しいこと、不安なこと、嫌なことなどがあると、気がそぞろになりがちです。
いつもと違う行動を取ったり、動きにぎこちなさが出たりします。

こうした変化を「いつもと違うぞ?」「違和感があるぞ?」と犬はいち早く察知します

犬には明確なテリトリーがある

家の中は犬にとって、安心できるテリトリーです。
そこにいつもと違う状態が発生したり、リーダーの動きに変化があると犬は不安になったり落ち着けなくなります。

また、過去に同じような経験があった場合は「楽しいことがあるかも」「来客がある?」と期待したりします。

この結果、飼い主の気がそろぞな様子が伝染したように、犬もなんとなく落ち着かなくなることがあります。

テリトリーを意識すると吠えることも少なくありません。

匂いや音で察知する

犬は目で周囲を見る他にも、優れた嗅覚と聴覚で状態を把握しています。
飼い主の息や汗の匂い、足音、声の調子など、飼い主自身が気付かないような変化も察知しています。

飼い主自身がいつもと変わらない様子で過ごしているつもりでも、犬が汗の臭いや声音の変化を感じ取っていることがあります。

そして状況を確認するために近付いてきたり、不安を感じて寄ってくることもあります。

犬には優れた嗅覚や聴覚を持っている

少し話が逸れますが、犬は嗅覚や聴覚で飼い主の状態を察知する能力に優れているため、トレーニングをしてメディカル・アラート・ドッグになることもできます。

アラート・ドッグは飼い主の小さな変化にも気づくことができ、てんかん、糖尿病の発作が起こったときに周囲に知らせてくれます。
人の命を救うのに活用されるほど、優れた嗅覚や聴覚を持っています。

なにくわぬ顔で、平素を装っていたとしても、犬の方が飼い主の心理を察知していてバレバレ、ということもあるかもしれません。

犬のバースデーパーティでサプライズプレゼントをしよう! と思っていても、既に気付かれている、なんてこともあるかもしれませんね。

窺うような顔で近付いてきたら相手をしてあげて

もし、愛犬が様子を窺うような顔で近付いてきたら相手をしてあげましょう。
あなたの小さな変化を察知しているかもしれません。

犬はにおいを嗅ぎ合ったり、舐め合うことで意思疎通を図ります。
顔を近付けて肌を触れ合わせたり、舐めてくるのを拒まずに受け入れてあげましょう。
あなたを信頼しているよ
傍にいるよ。安心して
あなたが好きだよ
顔を擦り寄せたり舐める行為には、こうした犬の思いが込められています。

まず、それを受け入れてください。
そして、犬の体を撫でて応じ、犬にも安心感を与えてあげましょう。

ただし注意する事も

ただ、いくら信頼関係を確認している行為といっても口を舐めたり、目や鼻の中に舌やヨダレが入ってくるような接触は避けてください。

人や犬の口やヨダレには、ウイルスや細菌が非常にたくさん含まれています。
ウイルスや細菌の中には、動物種を超えて感染するものがあります。

こうした病気は人獣共通感染症(ズーノーシス)といわれる病気で、

エキノコックス症
レプトスピラ症
回虫
パスツレラ症

などが身近なことで有名です。

まとめ

スキンシップは信頼関係を築く上で大切ですし、触れ合って愛情を確かめ合うことは犬に対してとても有効です。

しかし近すぎる関係を避け、特にウイルスや細菌が体内に入り込みやすい口・鼻・目など粘膜部分にはヨダレなどが付着しないように気を付けてください。

飼い主の心理状況はちょっとした行動や体の変化に現れやすく、犬も敏感に察知します。

犬にも飼い主の落ち着かない心理状態などが伝わることがありますので、犬が寄ってきた時は犬の思いを受け入れ、安心させるように撫でてあげてください。

家の中でお互いの気持ちが通じ合うことは素敵なことです。
適度な距離感を保ちながら、触れ合いを通じて絆や安心できる関係を築いていってください。

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須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

【ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士】

大型犬好きのドッグシッター。しつけ、ペットと旅行、ワーキングドッグの訓練やケア、鳥や馬など色んな動物に関わる仕事をしていました。ダルメシアンの多頭飼いが夢。

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