犬へのNG対応の代表的な5つ
犬の飼い主が普通にやっていること。
その中でついついやってしまいがちな行動の中にNG行為があるのをご存知ですか?
吠えている犬に「コラッ!」と言う。
一緒に仲良く同じ布団で眠るなど。
「普通でしょ?」と思う以下のような行動が実はNGなんです。
これらのNG対応は、人間社会のルールのもとで犬が安心して生活するためにも注意しなければいけないことばかりです。
この記事では、やってはいけない犬への対応5選を紹介します。
目次
NGその1 ・体罰
犬がダメな行動を取ったり、しつけで失敗した時につい手を上げてしまうことがあるかもしれません。
「犬は人の言葉を理解しませんから、叩いて教えなければならない」
と考える人がいますし、昔はそうしたしつけの方法がありました。
しかし今は、犬のしつけで体罰は不適切というのが一般的です。
犬は強いものに従いますから、飼い主がリーダーになって犬を導く必要があります。
リーダーは他のものを支配しますが、従うものを守る義務を持っています。
動物も順位争いでケンカをすることがありますが、そこにはケンカのルールがあります。
仲間を傷付けたり酷い目に遭わせることが目的ではありません。
飼い主の体罰は敵と認識される
もし自分のことを傷付けたり酷い目に遭わせるものがいれば、それは敵です。
飼い主の体罰により犬が「飼い主は敵だ」と認識すると、指示を聞いてくれるどころか牙を剥いてくるでしょう。
どうしてもという場合は天罰を与えましょう。
これは飼い主がやったと解らない方法で嫌な思いをさせる方法です。
体罰ではなく音で対応する
例えば犬が吠えた瞬間、離れた場所で大きな音を立てて驚かせるという方法です。
犬が吠えた瞬間に、犬に見えないように缶などを蹴り飛ばして大きな音を立てる、というような方法ですね。
犬は吠えたら嫌なことが起こったと理解して吠えない方がいいと思います。
しかし飼い主が罰を与えたと思いません。
罰を与えるなら、犬にとって嫌なことと飼い主を結びつけて覚えてしまわないような方法を取りましょう。
NGその2 ・叱りつけたり脅す行為
座る動作を取らせながら「スワレ」と声掛けします。
そうする事で犬は座る動作とスワレという言葉を結びつけて覚えることができます。
音と行動を連動させて覚えているだけであって、人が喋る言葉を全て理解できている訳ではありません。
ロシア語を知らない人が挨拶の単語を幾つか覚えたとしても、ロシア語の指示に従い正しい行動を取ることはできませんよね。
犬も同じです。
激しく叱っても直らない
愛犬が散歩中に通行人に向かって激しく吠えたとしましょう。
この時に飼い主が
といくら言っても無駄です。
犬は吠えるのを止めるどころか、飼い主の声を自分に加勢している声と思ってさらに激しく吠えるでしょう。
低い声で犬の目を見ながら伝える
こういう時は無視してその場を離れるのが一番です。
なお「静かに」「Quiet」という言葉と黙ることを予め教えてある場合は、低い声で犬の目を見ながら声をかけましょう。
感情を露わにして叱りつけたり、大きな声で脅すようなことを言っても犬は理解できません。
NGその3 ・一緒に寝る
犬と人が一緒に眠る姿は微笑ましく見えますよね。
しかし、しつけの面から言うとこれはNGです。
寝る場所や休む所を共有することは、犬が自分は人と同族だ、と勘違いする行為です。
犬が「自分は人と同等だ」と思ってしまうと、人と同じ行動を取りたがります。
人より優位に立とうとケンカを仕掛けてくることがあります。
指示を聞くどころか、ライバル・支配できる相手として人のことを認識するようになります。
一緒に寝るのは止めましょう。
犬のなわばりの認識
なお、犬はなわばりを持つ動物で、次のように場所を認識しています。
犬を中心に、円を描くように認識場所が広がっていると考えてみてください。
遠く離れれば離れるほど、未知の場所になります。
犬専用の場所が必要
こうした犬の習性から言っても、犬には専用の場所が必要です。
静かで薄暗く潜り込んで休める場所が理想です。
ケージで囲った中にクレートを置いて寝床にすると、移動手段として活用できるクレートが休息の場所になるのでお勧めですよ。
NGその4 ・人の食べ物を食べさせる
人が食事をしていると愛犬が欲しがっておねだりすることがあります。
しかし、決して人の皿から食べ物を与えないでください。
さらに食卓の食べ物は食べてもいいものと覚えてしまうため、自分から食卓の食べ物を取りに行くようになってしまいます。
人間の食べ物には食べてはいけないものがたくさんある
そして人の食べ物の中には犬にとって禁忌のものがたくさんあります。
中毒になるもの、塩分過多になるなど、犬の健康を害する危険があります。
人の食べ物を犬に与えるのは止めましょう。
NGその5 ・優先権・主導権は常に人が握る
意外に難しいのが、優先権や主導権を人が握ることです。
このような行為を、犬がねだるからやろう、という気になることがあると思います。
しかし必ず主導権は人が握りましょう。
これらは飼い主が獲得して終わりにするなど、必ず人が主導権を握ることを忘れないでください。
犬に順位を理解してもらう
そして家から出るのも家に入るのも、食事も遊ぶのも人が先です。
人が優先して行動を取り、犬に順番が回るのは最後にします。
こうすることで人が優位で、犬の順位は下と犬が理解します。
順位が下のものは上のものに従うというのが動物なので、しつけなどもしやすくなります。
人に従う姿勢を見せるようになる
また人に従うことを覚えた犬は、病院や公園など家の外でも人に従う姿勢を見せます。
動物病院で治療を受ける時も、人の輪の中に入る時も、人に従う姿勢というのはとても大切です。
主導権・優先権は人が握ることを忘れないでください。
まとめ
5つのNG行為を紹介しました。
そう感じて平等に扱わないことを不満に思う人がいると思います。
犬と人を平等に扱いながら、犬に人の社会のルールを教え守らせることができるならそれでいいと思います。
しかし犬は動物で強いものに従うという特性からすると、犬に対しては人が上の立場であることを教えておく方が都合がいいと言えます。
こうしたことを踏まえて、紹介したNG行為について考えてみてください。
「人は人」「犬は犬」という区別した考え方
愛犬に接した方がしつけが上手くいくケースがよくあります。
人の社会に受け入れられる犬に育てるためにどうすればいいのか。
愛犬の性格などをみながら考えてみてくださいね。