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犬は人によってしつけ時の態度が変わる?

愛犬がお父さんのいうことはきくのに、お母さんのいうことはきかない。
しつけ教室の先生には従うのに、家に帰ってくると好き放題!

こういうトラブルはよくあります。
犬の中には賢すぎて人によって態度を変え、都合のいいように立ち振る舞う犬もいます。

そんな、犬の人を判別する目、しつけ時の態度について紹介します。

人によって態度を変える犬のしつけについて
犬は力関係を意識して家族の順位付けをする
自分より下の立場と判断した家族には反抗的な態度をとる
オス犬は女性の飼い主より優位になろうとする
大型犬はしっかりしつけないと制御できないので注意
しつけ教室に行くだけで上下関係の修復はしにくい
力で抑えるのではなく正しい接し方を地道に続ける

このように、犬は人を順位付けして態度を変えるものなので、うまくしつけられない方は下の立場と認識されているかもしれません。

犬より優位になってスムーズにしつけを成功させるためにしっておきたいポイントを紹介します。
 

犬は順位を重視する

自然界の動物は生き抜くために群を作り、強いものが行動を決め、群を守っています。

群の中には力関係を軸にしたルールがあり、常に力関係を意識した行動を取っています。

犬もそんな動物の一種

家族を自分が属する群として考え、群の中で誰が何番目か、自分はどの位置にいるのか、順位を気にしながら生活しています。

1位:お父さん
2位:お母さん(ごはんをくれたり、マッサージしてくれる)
3位:お兄ちゃん(散歩に連れて行ってくれたり、遊んでくれる)
4位:犬
5位:弟
 

こんな風に犬が認識していた場合、1~3位の家族の指示には従うけれど、5位の弟には強硬な態度を取ることがあります。

また、1~3位の家族が5位の弟のことを犬よりも可愛がったり、おやつを先に渡すなど、4位の犬より優遇する態度を取ると「俺の方が順位は上だぞ!」と反抗的な態度を取るようになります。

犬はペットとして飼われているのですが、野性的な本能が残っているので飼い主も家族も順位を意識して接するようにしてください。

オス犬が女性飼い主に従わないことも珍しくない

動物は多くの場合、オスがリーダーになってメスを支配します。
人が相手でも性別で強さを把握し、メスには従わないと考えるオス犬がいます。

そもそもオスの方が、強さ・順位に関して敏感です。
いつも周りをよく観察していて「俺の方が強い」「こいつには勝てそうだ」と順位を気にし、時にケンカを仕掛けて上の立場になろうとします。

俺はリーダー!と本能的に

女性ばかりの家族がオス犬を飼った場合、犬が「群の中でオスは俺だけ。俺がリーダーだ」と誤認し、好き勝手に振る舞うことがよくあります。

みんなが犬をかわいがりすぎて問題行動を許してしまうというのも原因ですが、犬の「オスの方が強い」と考える本能も関係しています。

犬種によりますが、どんなにしつけようとしても犬が女性飼い主の指示を聞かないことがあります。
初めて犬を飼う場合や、トレーニングに自信がない場合はメスの方が飼いやすいでしょう。

大型犬を飼うときは要注意!

大型犬の走る速度、ジャンプ力、力、噛みつく力、飛びかかる力、持久力といった身体能力は人を大きく上回ります。

大型犬が子どもをケガさせたり、小型犬に命に関わるケガを負わせるニュースを耳にしたことがあると思います。

大型犬は、しつけを厳格に行って人が制御できる犬にしておかなければ、社会で大きなトラブルを起こしてしまう危険があります。

大型犬の中には銃などと同じ武器扱いされる軍犬、護衛犬、闘犬として優れた能力を発揮する犬がいます。

こうした犬は戦う能力、相手を追って倒す能力が非常に強い犬なので、特性や本能を飼い主が把握し、確実に服従させておかなければ危険です。

大型犬のオスが女性に従わない犬ことはよくあります

強さでは確実に犬の方が上になってしまうので、犬が従わないのです。

ただ、しっかりしつければ大型犬のオスでも女児にも従うようになります。
女性が大型犬のオスを飼うことができない訳ではありません。

大型犬を飼う時は飼い主自身がしつけやトレーニングに関する知識を持ち、かつ、子犬の頃からプロの手を借りて確実に服従させるようにしましょう。

しつけ教室もいいけれど、飼い主がリーダーになろう

しつけ教室やトレーニングスクールに通っていればしつけやすい犬になる、と思っている方が時々います。

残念ながら、しつけ教室やスクールに通ったからといって、家の中や散歩先で犬が利口な行動をとる訳ではありません。

犬は群の中で順位を意識し、強いものに従う動物です。
強いものが群を支配し、守るものだ、と考えています。

いくらしつけ教室やスクールでしつけて指示を覚えさせても、飼い主が犬より優位に立っていなければ指示を聞いてもらえないのです。

「先生の指示には従うのに、私の指示には従わない」
「お父さんの前ではいい子なのに、私の前ではやりたい放題!」

こういう場合は、まず、飼い主が強くなりましょう

力ではなく正しい接し方をする

強くなると言っても犬を叩いたり、力でねじ伏せる訳ではありません。

飼い主と犬は同じ布団で寝ない
食事は犬が最後。飼い主が犬に犬用の食事を与える
散歩の時、犬が強く引っ張ったら無言で反対方向に歩く。犬が引っ張らなくなるまで散歩をしない
吠えて要求したり、飼い主を思うとおりに動かそうとする犬を徹底的に無視する
威嚇や攻撃がひどい場合は、犬の行動範囲を家族の居住スペースから離して限定する(一旦、群の外へ追い出して、威張った態度がなくなってから家族の中に入ってくることを許してあげる)
 

こうした行動で飼い主の順位が上であることを教えましょう。
時間がかかることもありますが、我慢強く続ければ犬に伝わります。

まとめ

支配という言葉や関係に上下がつくことが苦手な人もいると思います。
もし、順位付けをしなくても上手くしつけられるならそれにこしたことはありません。

しかし、犬の動物としての特性を考えると、順位付けし、順位を意識した行動を取った方がしつけやすいのです。

犬は人をよく見ており、自分より順位が下とみなすと態度はガラリと変わります。
特に女性はなめられやすいので、毅然とした態度を示し、順位が犬より下にならないよう注意しましょう。

また、幼い子どもがいる家庭では犬よりも子どもや赤ちゃんを優遇し、一緒に寝かさないようにして子どもの順位を犬より上げてください。

犬は人を見て態度を変えます。
人も順位を意識して行動し、しつける立場になれるようになってください。

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須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

須永智尋 (ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士)

【ドッグシッター・動物健康管理士・動物介護士】

大型犬好きのドッグシッター。しつけ、ペットと旅行、ワーキングドッグの訓練やケア、鳥や馬など色んな動物に関わる仕事をしていました。ダルメシアンの多頭飼いが夢。

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