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複数のドッグフードをローテーション制にして大丈夫?

ドッグフードのローテーション制

ドッグフードを何種類か用意して
食事ごと・数日単位で「ローテンション制」で愛犬に与える方法が話題になっています。

これまではわがままな犬に育てない為にとドッグフードの切り替えは不要とする説が一般的でした。

しかし最近はこのローテンション制が犬の食性に合致しているという説が主流になりつつあります。
ここでは複数のドッグフードをローテーション制のメリットとデメリットについてまとめてみました。

 

ドックフードを複数でローテーション制にするメリット

ドックフードを複数でローテーション制にするメリット

ドッグフードをローテンション制で与えるメリットの一つにアレルギーの発症予防があります。
この効果が確認された事で、ローテーション制が高く評価されるようになりました。

現在は日本で飼われている犬の8割近くが何らかのアレルギーをもっていると言われています。

アレルギーは一旦発症してしまうと、完全に体質を改善する方法がないとも。
薬剤や食事療法で対処しつつ一生涯付き合っていかなければならない厄介な病気です。

 

単一種の栄養素の過剰摂取予防

愛犬の単一種の栄養素の過剰摂取予防
ここまで犬のアレルギー発症率が急増した背景には、ドッグフードの普及によって、単一種の栄養素の過剰摂取が原因にあると言われています。

単一種の栄養素の過剰摂取とは、例えば牛の肉を使用したドッグフードを与えている家庭では、毎日、毎食、何年もの長い期間同じドッグフードを食べさせ続けます。

犬は野生の状況ではありえない程の大量の牛肉をわずか数年で摂取する事になります。

次第に体内に同じ動物性タンパク質が飽和状態になり、ある時限界値を超え、あふれ出しアレルギーという形で噴出します。

これがアレルギーの仕組みです。

 

ローテーション制はアレルギー予防の一つ

ドッグフードのローテーション制はアレルギー予防の一つ

犬の体内にはそれぞれの体質にあった、コップがあると考えるとわかりやすいでしょう。

例えば→いろいろな種類のコップがあるというイメージをしましょう。

牛肉の栄養素を蓄積するコップ
トウモロコシの栄養素を蓄積するコップ
添加物を蓄積するコップ

 
そしてイメージですが。

コップに入る量はわずかでも、毎日同じコップばかり栄養素を貯めていては当然あふれ出します。

溢れだすと別のコップを使おうと、鶏肉やラム肉のドッグフードに切り替えます。

この切り替え後も、毎日同じコップばかり栄養が流れ込み、

いつかはコップから溢れだしてしまいます。

 

愛犬のアレルギー発症のリスクが抑えられる

その為ドッグフードをローテンション制にすると、毎日違うコップに栄養素が注がれる事になります。

それぞれのコップが満タンになり、あふれ出すまでの時間を分散させる事が出来るのでアレルギーの発症リスクを抑える事が出来るのです。

この仕組みは大変効果的な上に、簡単に取り組む事が出来るのでたいへん注目を集めています。

アレルギーの根本治療の方法はありませんが、発症を回避する方法があるのであれば、ぜひ取り組みたいものです。

アレルギーとドッグフードの関係性については詳しく別ページで説明しています。

ドッグフードの選び方とよく起こるアレルギー症状

 

主原料となる動物性タンパク質が分散される

主原料となる動物性タンパク質が分散される

もちろん、この効果を期待してローテーション制にする場合は、ドッグフードの主原料となる動物性タンパク質をローテーション制にする必要があります。

ラム肉
チキン
カンガルー肉

いろいろな素材を取り揃えておくとよいでしょう。

ローテーションだからと、同じラム肉を主原料としたメーカー違いの製品を揃えても意味がありません。
しっかりとローテーション制にする意味を理解してから取り組みましょう。

 

ドックフードを複数でローテーション制にするデメリット

ドックフードを複数でローテーション制にするデメリット
ローテーション制にする場合のデメリットは、ドッグフードをまとめて購入出来ない事です。

ドッグフードは品質保持の観点から開封後は一カ月程度で食べきる事が理想的です。
その為、小型犬であれば1kgサイズのドッグフードが2,3種類が目安でしょう。

それ以上の大容量製品になると食べきるまでに数か月かかってしまい、品質が劣化してしまいます。
単価は嵩みますが、少量サイズで揃えるように考えておきましょう。

 

順番や与え方には気を使わないと残しがち

順番や与え方には気を使わないと残しがち
またいくつかの種類を用いると、犬自身の好き嫌いも明確になります。

よく食べるドッグフードと全く食べないドッグフードが生じてしまい、同じドッグフードばかりが残りがちになります。
このような場合は、よく食べる物とそうでない物を混ぜ合わせ与える方法で解決しましょう。
また与える順番もランダムにし、朝食はこのドッグフードと決める必要はありません。

決めてしまうと、犬自身がローテーション制の順番を覚えてしまい、嫌いなドッグフードの場合は拒絶するという姿勢が明確になります。

 

愛犬の身体の変調

愛犬の身体の変調

他にもローテーション制にするデメリットは、アレルギーや下痢などの不調が生じた時に、原因の特定が難しい事が挙げられます。

病気の治療には原因の特定が何より効果的ですが、

ローテーション制の場合その方法がとれないので、一旦すべてのドッグフードの給与を取りやめ、全く別の製品に切り替える必要が生じ、ドッグフードの無駄が生じる事もあります。

※ドッグフードも含めて愛犬が食べなくなった場合についての詳細はこちらに掲載。

愛犬が食べなくなった?原因としつけ

飼い主のためのペットフードガイドライン(環境省)

 

ドックフードのローテーション制まとめ

ドックフードのローテーション制まとめ

ドッグフードをローテーション制にする場合は、短期間でいろいろなドッグフードに切り替える事です。

銘柄が固定化してしまうとなかなか新しい銘柄をローテーション制に組み込むことが難しくなるので、一カ月で食べきるサイズを目安に切り替えのサイクルを計算していきましょう。
犬の健康や食事に関する研究は日々進歩し、新しい取り組みが推奨されるようになっています。
ぜひ新しい情報を積極的に取り入れ、愛犬の健康、食事管理に取り組んであげましょう

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大谷幸代 (愛玩動物飼養管理士・メディカルトリマーetc)

大谷幸代 (愛玩動物飼養管理士・メディカルトリマーetc)

【愛玩動物飼養管理士・青山ケンネルスクール認定A級トリマー・メディカルトリマー・ホリスティックケアアドバイザー・神奈川県動物取扱業訓練 取得済】

大学在学中にイギリスへドッグトレーニングの勉強の為、短期留学。国内最大手のペット関連企業において、生体販売、トリマー、トレーナー、新規事業開発、成田空港内ペットホテル開業に伴うプロジェクトリーダーとして参加、ペット関連用品の開発、雑誌等へコラム執筆など、ペットに関するあらゆる分野を経験。

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